DaaSの種類 第04回 13年10月 / 最終更新:2022.12.16

法人向けデータセンターサービス・クラウドサービスの鈴与シンワート

今回はDaaSの種類について検討してみたいと思います。 一口にDaaSといっても実装方式がいくつかあります。それぞれ特徴があり、用途によって使い分けることによりコストの最適化につながります。

• 仮想マシン型
• ブレードPC型
• Terminal Server型

仮想マシン型

仮想マシン型はサーバ仮想化技術を利用して実装されたデスクトップサービスです。
一つのサーバ上で複数のデスクトップOSを動作させることができます。
サーバ仮想化技術で培われた機能をそのまま利用できますので、単独のデスクトップに比べても可用性を向上させることが可能です。
また、設定方法によっては起動ディスクイメージを集中管理することもできますので、パッチの適応やアプリケーションのインストールなども簡素化することが可能です。
ただし、デスクトップを集中的に管理する分、ストレージの容量とパフォーマンスが必要になります。
高性能なストレージは高価なものが多く、コスト面では少しメリットが薄れるかもしれません。

ブレードPC型

ブレードPC型は、ブレード型サーバ技術を利用して実装する方法です。
各ブレードサーバにサーバOSをインストールする代わりにデスクトップOSをインストールします。
利用者はブレードサーバにインストールされたデスクトップOSにログインすることで利用することが可能です。
仮想マシン型と比べてブレード型はCPUやメモリを占有することができるだけではなく、GPUなども利用可能です。
CPUやメモリなどのリソースを必要とする業務や、GPUが必要な3DCADなどを利用する場合は有効です。
ストレージは各ブレードサーバに接続されているストレージを利用するか、SANストレージを利用して集中管理することも可能です。

Terminal Server型

Terminal Server型はWindows ServerのTerminal Server機能を利用する仕組みです。
Terminal ServerはWindows NTの頃から利用されている技術で実績があります。
一台のWindows Serverで数十人のユーザを効率的に収容することが可能です。
アプリケーションの管理はユーザごとに行うことはできず、Windows Serverの管理者が行うことになります。
Terminal Serverはユーザが利用するメモリを確保するため大きなメモリが必要でしたが、最近では大容量のメモリを搭載したサーバが比較的安価に購入できます。
WordやExcelなどの事務処理系、または、定型業務などを行う利用者向けには最適なソリューションの一つだと言えるのではないでしょうか。

適切なDaaSタイプを選択にするには

DaaSの種類が3種類程度あることをお話させていただきました。適切なDaaSを選択してコストを最適化するにはどのようなことを考慮すればよいでしょうか。
やはり最初に考慮すべき要素は業務内容だと思います。
DaaSの利用者がどのような業務を行うのかが考慮すべきポイントです。
CAD/CAMといった、3Dを駆使した設計業務を行うのか、それとも、アプリ開発を行うのか、はたまた、Word、Excelなどを利用して事務処理系を行うのかによって選択するDaaSの種類は変わってきます。

もう一つの要素は管理性です。
いずれの方法を利用しても集中管理を行うことが可能ですが、管理の容易性はユーザの利便性とは相反する場合もあるので考慮が必要です。
ソフトウェア開発者などのエンジニアなどが利用者として想定される場合は、セキュリティーの考慮は必要ですがある程度自由に利用できたほうが利便性は高まりすます。
逆に、Word/Excelなどのオフィス系アプリケーションで事務処理を行うのを主な業務とされているユーザに自由に使っていいよといっても戸惑うことでしょう。
この場合は、ある程度管理してもらったほうが利用者にとってはメリットです。

みなさんも利用者の業務、管理方法などを考慮しながら適切なDaaSの種類を選択してみてください。

 

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