データセンターの選び方とは?選定ポイントをわかりやすく解説します! 第06回 23年02月 / 最終更新:2024.06.06

データセンターとは企業のサーバやネットワーク機器を設置し、管理・運用するための施設です。近年は災害対策の観点から、自社の情報資産を守るためにデータセンターを利用する企業も増えています。

一口に「データセンター」といっても、設備、サービス内容、料金はそれぞれ異なります。自社に合ったデータセンターを利用するためにはまずは選定ポイントを検討する必要があります。本コラムではデータセンターの選定ポイントをわかりやすく解説します。

データセンターの選定ポイント7つ

ここではデータセンターの選定ポイントを7つ紹介します。データセンターを選ぶ際にはどれも重要なポイントなので参考にしてください。

災害対策

日本は「地震大国」と言われるほど地震が多い国です。特に記憶に新しいのが2011年3月に発生した東日本大震災です。東日本の太平洋側沿岸一帯が被害を受けるなど、かつてないほどの未曽有の大震災でした。

また、東日本大震災を契機にデータセンターを利用し始めた企業が増えました。それほど東日本大震災は企業にも大きな影響がある出来事でした。データセンターを選ぶ際に耐震性や免震性を重要視しているのもその表れでしょう。

建物自体の構造にも注目する必要があります。建物自体の震災対策としては「耐震」と「免震」の2種類があります。「耐震」は建物自体の強度を強くし、地震の揺れに耐えるように設計された構造です。ただ、建物自体が地震に耐えたとしても、ラック内の機器が被害を受ける可能性があります。

一方、「免震」は建物と基礎の間に緩衝する装置を設け、地震の力が直接、建物へ伝わらないようにする構造です。現在は「免震」が最も安全性の高い震災対策と言われており、ラック内の機器への被害も最小限に抑えることができます。

セキュリティ対策

セキュリティ対策は大きく分けて物理セキュリティと情報セキュリティの2つに分けられます。

物理セキュリティはデータセンターやサーバルームへの入退室プロセス、監視カメラの設置、24時間365日の警備体制などがあります。機器の破壊やデータの持ち出しなどの物理的な脅威から情報資産を守らなければなりません。このため、データセンターへの立ち入る際の事前申請やデータセンター入退室時の持ち物検査、サーバルーム入退室時の認証方法など、物理的な脅威に対してどのような対策を講じているのか確認が必要です。

一方、情報セキュリティ対策としてはサイバー攻撃への対策などがあります。具体的にはファイアウォール、侵入防止システム、侵入検出システムなどのサービス提供状況の確認です。また、24時間365日の監視体制があるかどうか、障害発生時の対応なども確認が必要です。

先進のセキュリティシステムを装備したデータセンター「S-Port第一センター」

立地条件

立地条件の検討ポイントとしては「利便性」と「安全性」の2つです。

「利便性」について

機器交換や障害対応など、物理的に現地で必要な作業は意外と多いものです。このため、自社オフィスからデータセンターへのアクセスが良いと便利なことは言うまでもありません。特にデータセンターは郊外に建設されていることが多いため、アクセスとコストのバランスを考慮する必要があります。また、有事の際、通常の交通機関が利用できない場合の移動手段もシミュレーションしておきましょう。

「安全性」について

「安全な場所に立地されているか?」がポイントになります。具体的には、「地震、津波、台風、集中豪雨などの被害を受けにくい場所に建設されているかどうか?」などです。また、複数地域でデータセンターを提供しているかどうかも確認ポイントになります。複数地域でデータセンターが提供されている場合、サーバを分散して設置するなど、災害時のリスクを低減することができます。

施設の構造や機能性

設備の構造や機能性の確認も必要です。具体的には電源、空調、回線、消火装置などの確認です。

サーバの安定稼働に安定した電源供給は必要不可欠です。「電源装置の故障時に電源供給ができるように冗長化されている」、「電源供給が停止した際にUPS(無停電電源装置)+自家発電装置を備えている」などが確認ポイントです。また、自家発電装置の連続運転可能時間も確認しましょう。

サーバは高温・多湿状態が続くと故障するリスクがあります。このため、温湿度管理が適切に行われているかの確認が必要です。また、停電時や節電時にも適切に送風できる排熱気構造であることや冷気を取り込める構造かどうかもポイントです。

回線設備やネットワークの通信速度もデータセンターを選定する上で無視できないポイントの1つです。データセンターに設置したサーバは基本的にはリモート接続で管理します。そのため、アクセス集中時でも通信速度が安定していることが大切です。

また、火災が発生したときの消火設備の確認も必要です。スプリンクラーなど水による消火だとサーバが故障する恐れがあります。

サービスとサポート体制

サービス内容はデータセンターによって異なります。提供しているサービスがハウジングサービスのみなのか、ホスティングや監視運用サービスなどを提供しているのかなどです。

トラブルが発生したときには即時の対応が求められます。このため、24時間365日の監視や運用が行われていることが望ましいです。また、データセンターが提供する監視運用サービスも検討要素の1つです。

自社の要件に合ったものを選ぶためにも、プランやサービスの内容を確認することが大切です。

利用料金

利用料金はスペースやサービスに応じた月額制が中心です。しかし通常は最低1年間の利用を前提としているため、最低契約期間の確認が必要です。また、基本料金は安くても、オプションを追加すると高くなることがあります。このため、オプションを含めた料金の見積金額を提示してもらいましょう。

また、好立地で災害に強く、設備が整っているデータセンターは費用も多くかかります。希望条件に対して優先度を決め、予算にマッチしたデータセンターを選定することが大切です。

空きラック、空きスペースの有無

「空きラック、空きスペースの有無」は意外と見落としがちになるポイントです。サーバを追加設置する際、利用中のデータセンターに空きスペースがなければ既存設置済みのサーバ分も併せ、他のデータセンターに移動しなければならないことがあります。また、空きラックがあったとしても、設置するサーバや機器によってはラックのサイズが合わないことがあります。

長期間にわたってデータセンターを利用する場合には将来の増設や拡張性を見込んでスペースやラックを確保することが必要となります。このため、ある程度余裕を持たせて確保することが大切です。

災害対策・セキュリティ対策が万全なデータセンター「S-Port第一センター」

「データセンターの選び方のポイント」のまとめ

本コラムではデータセンターの選び方のポイントをわかりやすく解説しました。

データセンターを選定するためには、災害対策、セキュリティ対策、立地条件など、いくつかのポイントを考慮することが必要です。そして、これらのポイントを理解し、まずは自社がデータセンターに求めるものは何かを明確にし、データセンターの施設やサービス内容などと照らし合わせて確認しましょう。

そして、本コラムで掲載のポイントを踏まえて自社に合ったデータセンターを選定し、活用することで情報資産を守っていきましょう。

「S-Port東京第一センター」について

鈴与シンワートのデータセンター「S-Port第一センター」は、地震に関する地域危険度測定調査で“ランク1”(最も危険性が低い)評価のエリアに所在し、大型自家発電機と潤沢な燃料備蓄による電力供給の信頼性、先進のセキュリティシステムを装備しています。

特長1:安全性の高い電源仕様
2系統特別高圧(22,000V)受電、n+1冗長構成の無停電電源装置。非常用発電設備を持ち、約48時間稼動が可能な燃料を備蓄しています。

特長2:集積率と熱効率
ラックは46Uサイズを提供、1ラックあたり6KVA超の電力供給が可能です。

特長3:地震対策設備
<ビル構造>
新耐震基準に適合した地震や災害に極めて強い構造です。

<防災設備>
不活性ガス(アルゴナイトガス)消火設備、超高感度煙・熱感知センサー、漏水センサーを完備しています。

特長4:立地と安全性
地域危険度特性評価AAA、想定津波高50cmに対し、海抜7.7mに立地した、極めて災害に強い堅牢なデータセンターです。

特長5:セキュリティ対策
<電子錠、入退室管理>
有人受付と、非接触ICカード、生体認証による入退室管理で、情報の漏洩をシャットアウトします。またITVカメラによる監視も常時行っています。

<中央監視装置による集中監視>
監視室で24時間365日の有人監視を実施。安全性だけでなく、効率的な運用を実現しています。