VPN(Virtual Private Network)は、インターネット上に仮想的な専用ネットワークを構築する技術です。
企業の社内ネットワークとクラウドサービスや遠隔地の拠点を繋いだり、自宅から社内ネットワークへリモート接続したりするために利用します。通信は暗号化されており、外部からの不正アクセスやデータ漏洩のリスクを低減できる点がVPNの大きな特徴です。
VPNは地理的な制限を越えた柔軟なワークスタイルを可能にし、ビジネスの多様化やグローバル化を支える重要な技術となっています。
VPNと専用線の違い
VPNは、インターネットを経由して仮想的に構築するプライベートネットワークです。サービスプロバイダーが提供するITインフラを利用するため、導入や運用のコストを軽減できます。
一方、専用線は、一定の帯域の回線を物理的に専有する組織専用の通信回線です。高いセキュリティに加えて安定した速度の通信が可能ですが、VPNと比べるとコストが高くなります。
柔軟性や低コストを重視する場合はVPN、通信品質と高セキュリティが求められる場合は専用線が適しています。
VPNのメリット
VPNを利用すれば、物理的な専用線を用意しなくても、仮想的な専用回線の導入が可能です。
これにより、導入コストを抑えながら高セキュリティな通信を実現できる点がメリットです。
また、公衆回線であるインターネットに接続するため、場所を選ばずに利用でき、自宅や外出先から社内ネットワークに安全にアクセスできます。近年リモートワークの需要が拡大していることで、VPNのアクセシビリティはより大きなメリットになっています。
VPNの種類
VPNにはいくつかの種類があります。
インターネットVPNは、名前のとおり「インターネットで接続するVPN」です。手頃な価格でVPNを構築することができますが、他のVPNと比較してセキュリティや通信品質が低下する可能性がある、というデメリットがあります。エントリーVPNは、ADSLなどの手頃な価格の回線を利用した閉域網を構築するVPNです。低コストで高いセキュリティを確保できますが、通信品質が不安定な場合があります。
IP-VPNは、サービスプロバイダーが提供する閉域網を使用し、高品質で安全なネットワーク接続を実現するサービスです。通信品質とセキュリティが高い反面、他のVPNよりもコスト高となります。