VLANとは

VLAN(Virtual Local Area Network)とは、仮想的なLANを構築する技術のことです。「仮想LAN」や「バーチャルLAN」と呼ぶケースもあります。VLANを用いることで、1つのネットワーク機器で複数の論理的なネットワークを構成することが可能です。

たとえば、オフィス内の営業部・経理部・総務部にある端末が同じスイッチ(ネットワーク機器)に接続されている場合に、VLANを利用すれば、以下のように部門ごとに異なるグループとして分離できます。

・営業部の端末→VLAN10
・経理部の端末→VLAN20
・総務部の端末→VLAN30

VLANを設定して部署間のネットワーク通信を遮断することで、不要なアクセスや情報漏洩のリスクを抑えられます。

VLANのメリット

VLANの主なメリットは、以下の3点です。

・セキュリティを強化できる
・ブロードキャストドメインを分割できる
・柔軟なネットワークを構築できる

それぞれの点について解説します。

セキュリティを強化できる

VLANを利用し、部門ごとにネットワークを分離することで不要な通信を遮断できます。たとえば、一部の端末がマルウェアに感染した場合でも、他の部署や重要なシステムへの影響を最小限に抑えることができます。組織内での情報漏えいや不正アクセスのリスク軽減にもつながります。

ブロードキャストドメインを分割できる

ブロードキャストドメインとは、ネットワーク上でブロードキャスト通信(同一ネットワーク内の全端末に一斉送信される通信)が届く範囲のことです。VLANを導入すれば、ブロードキャストドメインを論理的に分割できます。これにより、ネットワーク全体の負荷を軽減できるため、パフォーマンスの向上が期待できます。

柔軟なネットワークを構築できる

VLANは物理的な接続場所や配線に依存せず、論理的に任意のグループを構成できます。たとえば、同じ部署のメンバーが異なるフロアや建物に分かれていたとしても、同一のVLAN上に設定すれば、あたかも同じネットワーク上に存在しているように通信できます。組織変更やレイアウト変更に柔軟に対応できるため、ネットワーク設計や運用の自由度が大きく向上します。