液浸冷却(Immersion Cooling)とは、サーバなどのIT機器を絶縁性の特殊な液体に直接浸して冷却する技術のことを指します。熱伝導率の高い液体を用いることで、機器から発生する熱を効率的に除去できます。
液浸冷却の特長は、従来の空冷方式と比べて熱伝導効率が高く、消費電力を大幅に削減できる点です。AI(人工知能)の学習や推論処理に用いられる高性能なGPUサーバや、HPC(高性能コンピューティング)を扱うデータセンターなどで需要が高まっています。
液浸冷却の種類
液浸冷却は、大きく「単相式」と「二相式」の2種類に分けられます。
単相式
単相式は、冷却液が液体のまま熱を吸収し、外部の熱交換器などを通して冷却後に再循環する方式です。シンプルな構造で容易にメンテナンスできます。
二相式
二相式は、冷却液が機器の熱によって蒸発(沸騰)し、気体となった後に槽の上部などで冷やされ再び液体に戻る方式です。液体を沸騰・凝縮させて熱を移動させるため、大量の熱を高効率で処理できます。
液浸冷却のメリット
液浸冷却を導入することで得られる主なメリットは、以下の3点です。
・電力消費を削減できること
・設置スペースを有効に活用できること
・大型の空調設備が不要になること
それぞれについて解説します。
電力消費を削減できること
液体は空気に比べて熱伝導率が非常に高く、効率的に機器を冷却できます。これにより、データセンター全体のエネルギー消費を大幅に削減することが可能です。
設置スペースを有効に活用できること
液浸冷却では、サーバを高密度に配置できるため、同じ面積でより多くの機器を稼働させることができます。これにより、設置スペースを有効に活用することが可能です。
大型の空調設備が不要になること
液浸冷却を用いることで、サーバ内蔵のファンやデータセンター全体の空調設備が不要になるため、騒音の低減やメンテナンスコストの削減につながります。環境負荷の軽減に貢献できる点もメリットです。
