データレイクとは

データレイク(Data Lake)とは、構造化データや半構造化データ、非構造化データなどをそのままの形式で大量に保存できる仕組みを指します。ログデータやIoTセンサーの情報、画像、動画、音声ファイルといった多様な形式のデータを取り込めます。

データウェアハウスとの違い

データウェアハウスは、主に、目的が明確な構造化データを格納します。事前にスキーマを定義して整形・加工した上で保存するため、定型レポートやBIツールでの分析に適しています。

一方、データレイクは、目的が明確でない段階でも多様なデータをそのまま格納できるのが特長です。探索的分析や機械学習など幅広い用途に対応できます。

データレイクのメリット

データレイクの主なメリットは以下の3つです。

・多様なデータを一元管理できること

・初期設計の負担が小さいこと

・データサイエンスや機械学習に活用しやすいこと

それぞれ解説します。

多様なデータを一元管理できること

データレイクでは、構造化データ(表形式のデータ)、半構造化データ(JSONやXML)、非構造化データ(画像・動画・音声など)などをまとめて保存することが可能です。部門やシステムごとに分散していたデータが一元管理できるため、横断的に分析しやすくなります。

初期設計の負担が小さいこと

データレイクの場合、事前に厳密なスキーマを定義する必要がありません。まずはデータを収集し、その後に必要に応じて整形・加工できるため、柔軟な運用が可能です。新規プロジェクトや試験的な分析などをスピーディーに実施できます。

データサイエンスや機械学習に活用しやすいこと

データレイクは生データを保持しており、多様なデータソースを組み合わせることで、精度の高い分析やモデル構築が可能です。また、必要に応じて異なる期間や条件で再分析できるため、データサイエンスや機械学習の試行・改善を繰り返し行えます。さらに、長期的なデータ蓄積により、時系列分析や傾向予測など高度な分析にも対応できます。

データレイクの課題

データレイクは多様なデータを柔軟に蓄積できる反面、適切に管理しなければ「どこに何のデータがあり、どのように利用できるのか」が分からなくなる、いわゆる「データスワンプ化」のリスクがあります。

また、構造化・非構造化を問わず大量のデータを集約するため、個人情報や機密情報が混在しやすく、アクセス制御や権限管理が複雑化する点も課題です。これらを放置すると情報漏えいや分析効率の低下につながります。特に多拠点や複数部門で共有する場合、管理体制の不備が深刻なセキュリティリスクを招く恐れがあります。

さらに、データ形式や品質がバラつくことで分析結果の信頼性が損なわれる恐れもあります。これらを防ぐには、メタデータ管理やデータ分類、セキュリティポリシーの徹底と定期的な運用監査が不可欠です。