DevOpsとは
DevOps(デブオプス)は、「開発(Development)」と「運用(Operations)」を組み合わせた造語です。開発と運用が連携し、継続的かつ迅速にソフトウェアを提供するための考え方・手法のことを指します。
従来の開発現場では、開発チームが作ったシステムを運用チームに引き渡すまでに手作業や書面ベースのやり取り、部署間の温度差など、非効率なプロセスが多く存在していました。その結果、納期の遅延やバグの見逃し、運用側の負荷増大といった問題が発生することがありました。
DevOpsはこれらの課題を解決するために生まれた考え方です。開発と運用が1つのチームとして協力し、一体となってシステムの品質と開発スピードを高めることを目的としています。DevOpsでは、以下の技術がよく使用されています。
・CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー・デプロイ)
・IaC(Infrastructure as Code)
・コンテナ技術(Docker、Kubernetesなど)
・自動テストツール(SeleniumやJUnitなど)
DevOpsを導入するメリット
DevOpsを導入する大きなメリットは以下の3点です。
・市場の変化や顧客の要求に迅速に対応できる
・サービスの安定性・信頼性を向上させる
・チームの生産性を向上させる
それぞれの点について解説します。
市場の変化や顧客の要求に迅速に対応できる
DevOpsを導入すれば、開発から本番環境へのリリースまでの一連の流れを自動化・最適化できます。これまで週1回・月1のリリースが当たり前だった環境でも、1日1回、場合によっては1日に何度もデプロイ(リリース)することが可能です。高速な開発体制を実現することで、市場の変化や顧客の要求に迅速に対応できます。競争力アップにもつながります。
サービスの安定性・信頼性を向上する
DevOpsでは、CI/CDパイプラインの中に自動テストや静的解析ツール、監視機能を組み込むことが一般的です。これにより、コードのミスや脆弱性を早い段階で発見・修正できます。
さらに、システムが稼働している間も監視ツールで状態を常時チェックしているため、異常を検知した場合は即座にアラートを出すことも可能です。バグの発見や障害発生の際にスピーディーに対応できるため、サービスの安定性と信頼性の向上につながります。
チームの生産性を向上させる
DevOpsでは、開発・運用・テストといった役割の垣根を越えて、共通の目標に向かって協力する文化を醸成できます。チーム内の情報共有が活発になり、無駄な確認作業や属人的な対応を減らすことができます。
さらに、IaC(Infrastructure as Code )や自動化ツールを活用することで、環境構築やデプロイ作業を標準化できるため、作業効率も大きく向上します。チーム内でのスキルや知識の偏りがなくなり、新しいメンバーがスムーズにプロジェクトに参加できる環境構築が可能になります。DevOpsを導入すれば、サービスの価値と開発力の両面を持続的に向上させることができます。