MTBF(=Mean Time Between Failures /平均故障期間)とは、機械や電子機器などの信頼性を示す指標のことです。製品が正常に動作してから次の故障が発生するまでの平均的な期間を表します。この値が大きいほど、その製品の信頼性が高いことを意味します。
MTBFの具体的な計算方法は、以下のとおりです。
MTBF = 総稼働時間 ÷ 故障回数
たとえば、1年間(8,760時間)の稼働中に2回の故障が発生した場合、MTBF = 8,760時間 ÷ 2回 = 4,380時間 となります。」
MTBFの用途
MTBFは、主に以下の用途で利用されています。
製品の信頼性評価
製造業の企業では、製品開発の段階でMTBFの目標値を設定し、その達成に向けて設計や製造プロセスの改善を行います。たとえば、競合製品のMTBFが10,000時間の場合、それを上回る12,000時間を目標に設定します。これにより、より信頼性の高い製品を開発することを目指します。また、製品カタログやスペックシートにMTBF値を記載することで、製品の信頼性を客観的に示すことができます。
保守計画の策定
MTBFをもとに、予防保守のタイミングや部品交換の計画を立てることができます。たとえば、MTBFが5,000時間の機器であれば、故障を未然に防ぐために4,000時間程度で定期点検や部品交換の実施を計画します。これにより、突発的な故障を防ぎ、システムの安定稼働を実現することができます。
製品寿命の予測
MTBFのデータを分析することで、製品やパーツの交換時期を予測し、計画的な設備投資や更新計画を立てることができます。特に生産設備や通信インフラなど、停止が大きな損失につながる重要なシステムでは、予測に基づく計画的な更新が不可欠です。MTBFは、予算計画の策定やコスト管理の際に重要な指標として活用されています。
品質管理への活用
MTBFの推移を監視することで、製造プロセスや製品品質の変化を把握できます。たとえば、MTBFが低下傾向にある場合、製造工程や設計に問題がある場合があります。早期の改善につなげることができます。