帯域幅とは
帯域幅は、ネットワーク回線が一定時間内に送受信できるデータ量の上限を示す用語です。たとえば「100Mbps」の回線であれば、1秒間に最大100メガビットのデータをやり取りできます。
通信速度との違い
「帯域幅」と「通信速度」は混同されやすい用語ですが、それぞれ異なる意味を持ちます。帯域幅は、ネットワークが理論上でどれだけのデータを同時に送受信できるかという「通り道の広さ」を示す指標です。
一方、通信速度は、実際の使用環境でどれくらいの速さでデータがやり取りされているかをリアルタイムで示す数値です。たとえ帯域幅が十分にあっても、ネットワークの混雑やルーターや端末の性能、接続方式などによって通信速度が低下する可能性があります。
帯域幅は業務効率に直結する
帯域幅は、業務効率に直結する要素の一つです。たとえば、クラウドストレージやSaaS、Webアプリなどを複数の社員が同時に利用する場合、帯域幅が不足すると画面表示の遅延につながりやすくなります。さらに、ファイルのアップロードやダウンロードの失敗などが発生し、作業効率の低下につながります。
特にVDI(仮想デスクトップ)やクラウドサービスを利用している企業では、ネットワークの遅延が業務全体のスピード低下に直結します。社員のストレス増加や顧客対応の遅れなど、結果的に損失につながることもあります。
帯域幅を確保するための対策
帯域幅を確保するためには、以下の対策を講じる必要があります。
ルーターやスイッチなどを最新モデルにする
古いルーターやスイッチは通信速度が遅く、搭載されている高速回線を十分に活かせないことがあります。最新のルーターやスイッチは、高速通信規格(1Gbps以上、Wi-Fi 6など)に対応しており、処理能力や安定性が高いのが魅力です。
最新モデルにすることで、ネットワーク全体のパフォーマンスを向上させることができます。
トラフィックの優先順位を設定できるQoS(Quality of Service)機能を活用する
QoSとは、ネットワーク上の通信に優先順位をつけて、重要な通信を優先的に処理する仕組みです。たとえば、ZoomやTeamsなどの音声・映像データを他の通信より優先すれば、帯域が逼迫している状況でも会議の音声が途切れにくくなります。
