sugipooh のデータセンター・クラウドインフラ

著:杉田 正氏

特別高圧受電と高圧受電第05回 12年10月更新

データセンターの案内を観ていると「特別高圧受電」「2系統受電」「無停電電源装置」「発電機」などが特長として案内されています。
これらはサーバーに供給する電源AC100VやAC200Vが”停電しない”ための設備のことです。

データセンターから光ケーブルなどの回線で提供されるサービスは、停止すると業務に不都合な場合が多くあります。
一般の事業所ビルでは6,600V「高圧受電」であるため停電は1年に数回発生する可能性があります。
サーバーが年に1回も停電で停止するのは不都合なことです。
電力会社と「高圧受電」で契約している事業所は一般的で、送電線への落雷や強風で平井物が当たり送電を停止した場合、供給経路の切り替え、復旧送電を順次行うので、数十秒から数分の停電は良く発生します。

「特別高圧受電」は、消費電力1,000KWh以上の大電力を利用する事業所に”特別高圧受電所”を設置して変電所から22,000Vで受電します。
大電力事業者でないと供給してくれませんし、”特別高圧受電所”の設備にも数億円掛かりますが、この大電力受電事業所(データセンター)への電力会社電力供給サービスレベルも違い、落雷などで停電することもなく、1/5秒12サイクル停電しても、停電理由を電力会社は大電力受電事業所に報告してきます。

落雷などによる送電経路を切り替える”ぱっと暗くなる”停電は瞬停(瞬間停電)と呼ばれ、1年に数回発生する場合もあります。
パソコンとサーバーとの仕様において大きく違うのが、この瞬停対策です。ノートパソコンには蓄電池が内蔵されているので瞬停では再起動しません。
しかしデスクトップパソコンは8サイクル程度の瞬停で再起動する電源ユニットが搭載されている場合が多くあります。
サーバーは15サイクル程度の瞬停でも再起動しない仕様になっている場合が多く、12サイクル程度の瞬停では再起動しません。
サーバー電源ユニットは電源不安定にも強い仕様になっています。

送電線は遠く発電所から変電所を経由して送電してきますので、飛来物や台風などの被害で停電した場合に復旧時間が長時間要する場合も想定されます。
そのような対策に「2系統受電」(予備源契約など言います)を契約します。
都心データセンターでは「3系統受電」などを行っているセンターもあり、夜間に周囲が大規模停電してもデータセンターが入居しているビルだけ明かりが眩しく点いているなど話題になったりします。
地下ケーブルで送電される場合などでは、同じ変電所からの送電であっても、別経路を使う「2系統」(予備線などと言います)だけでも設備しておくと、水道工事などでの誤掘削断線による長時間停電対策になります。
複数系統受電では、トラックに乗せた発電機なども追加接続できる「ループ受電設備」などもあります。

「特別高圧受電」「高圧受電」設備では、近づくと”引き寄せられる!”など、思わぬ人身事故が発生する場合がありますので、有資格者以外近づいてはいけません。
AC200Vなど低圧に変電された領域からデータセンターへの供給電源の管理はデータセンター事業者が行います。
受電設備の開閉器には「電動式」などもありますが、「手動式」では操作を誤ると手首などを”骨折”する可能性があります。
大型の開閉器は正常動作でも”重たい操作”が必要な場合もあり、火災など非常時に間違いなく遮断など運用するためには日頃からの訓練が大事です。

電気設備は法令で定期的な点検の義務付けられていますので、点検時停電には発電機を利用します。
データセンターには停電対策として「発電機」が設置されています。
発電機はエンジンで回り始めて安定に電源を供給できるまで10秒から45秒ほどの待ち時間がありますので、その間を「無停電電源装置」(以後UPS)が蓄電池から電源を供給します。

次回は、発電機とUPS、耐震と免震のあれこれです。