マーケティング・オートメーションツールを活用する(序奏) 第04回 13年09月 / 最終更新:2022.12.15

法人向けデータセンターサービス・クラウドサービスの鈴与シンワート

マーケティング・オートメーションとは何か、BoBマーケティング・オートメーションについて、米Forrester Researchでは以下のように定義しています。

“潜在的な買い手の購入意向や顧客のロイヤリティを支援し、マーケティング活動と収益の連携を強め新しいビジネス機会を創出するツールやプロセス。” 注)Nexal,Inc.意訳

出展元:B2B Marketers Must Better Prepare For Marketing Automation  April 26, 2011 Forrester Research.

以前、Forresterではリード・マネジメントオートメーション分野と総称したり、米GartnerではCRMリード・マネジメントと分類しています。この分野の市場は、様々なベンダが機能拡張や買収合戦を繰り返しながら成長しており、いまだ海外におけるM&Aの動きが激しく目が離せません。

海外では100以上のベンダがあると言われていますが、日本国内でも取扱いベンダや代理店があり、国内企業から購入・インプリメントが可能なマーケティング・オートメーション製品を以下に紹介します。

(※ここ数年で買収があり、チャネルがあると判断した製品に限定しています。)

・Pardot—CRMやソーシャル・アプリとの統合機能、サポート体制といった点でユーザの評判が良い。
予算や要望に限りがある小さな企業向けだが、2012年10月にEメールマーケティングのExactTargetに買収される。翌年の今年2013年7月にExactTargetをSalesforce.comが買収。同社のクラウドマーケティングソリューション「Salesforce Marketing Cloud」に統合される予定。国内についての詳細は、要問合わせ。

・neolane—設定項目の多さや柔軟性の高さについて、経験の少ないユーザにとっては難しいという声があるらしいが、ユーザサポート体制の評判は良いとのこと。2013年6月にAdobeに買収され、現在は「Adobe Campaign」として提供されている。

・ELOQUA—B2B向けマーケティング・オートメーション製品のパイオニア。経験やパートナーの豊富さ、幅広い技術、グローバルさが魅力。国内でも外資系企業で多く導入されている。2012年12月にOracleに買収され、現在は「Oracle Eloqua Marketing Cloud Service」として提供されている。

・MarketingPilot—マーケティング・オートメーションツールの基本的な機能を搭載しており、Microsoftが2012年10月に買収。Dynamics CRM に統合されると予想されたが、国内についての詳細は要問合わせ。

・Aprimo—マーケティング・オートメーションベンダとしての歴史が長く、US以外での実績も豊富。複雑なリード管理やMRM(マーケティングリソース管理)、複数の国や地域でのサポートを必要とする大企業向け。2011年3月Teradataが買収し、現在は「Relationship Manager」として提供されている。
注)コラム記載時の2013年9月末時点での情報です。

マーケティング・オートメーションについて簡単に解説します。
一般的なBtoBマーケティングプロセスを、「①リードジェネレーション、②リードナーチャリング、③リードクオリフィケーション」 のホットなリードを醸成・創出するプロセスと、提案・受注活動を行う営業プロセスに分けた場合、マーケティング・オートメーションに分類されるツールやソリューションは前者になります。後者はSFAさらには、CRM(※狭義の意味合いで)またはERPへとバックオフィス系の基幹へと繋がります。前者のツールは対顧客とのコミュニケーションを行うにあたって必要なフロント機能が全て含まれるのです。大きく分類すると9つの機能に分けられます。

▼Nexalが定義する9つのMarketing Automation Solution
1. Lead Management
2. Communication Management
3. Online Marketing Support
4. Email Marketing
5. Campaign(Promotion)Management
6. Social Media Linkage
7. Reporting and Analysis
8. Sales and CRM Integration
9. 3rd Party Integrations

 日本では、展示会やセミナーで集めた名刺情報を管理するため、リード・マネジメント機能はよく知られています。特に国産の名刺管理ツールの『名寄せ機能』は、メルアドのみでマッチングさせるような海外製品と比較して、複数のキーにて細かく管理することができ、時系列で顧客との接点管理を行うことも可能になってきました。

他に、BtoC大手で利用されているキャンペーン管理ツールや一斉配信機能を搭載するようなメールマーケティングツールの利活用は、どの企業でも進んでいます。最近では、CMSツールと連携または機能を拡張し、ユニーク単位にコンテンツや情報を出しわけるマーケティング・オートメーションツールも出てきました。

また、上記ではコミュニケーション・マネジメントに分類していますが、個人のオンライン行動トラッキング機能について、アクセス解析ツールを別途導入しキャンペーン管理ツールとAPI連携して導入した企業もあります。余談ですが、Google Analyticsのセグメント機能でもユニークな行動トラッキングができるようになってきていますので、オンライン行動トラッキングツールは、ますます重要性を増すと考えられます。

いろいろ記載すると筆が止まりませんが、マーケティング・オートメーション機能を全て網羅したツールを一から全社的に導入せずとも、今現在何かしらのツールを皆さん活用されているのです。要は何をしたいのか、必要な機能をどのように組み合わせて実装するのか、です。

具体的にマーケティング・オートメーションツールを活用して今までと何が変わるのか、マーケティングの仕掛け方、マーケ部門の組織や業務フローの変化などを次回に紹介します。

# 次回は、マーケティング・オートメーションツールを活用する です。

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