DaaSのメリット・デメリット 第02回 13年08月 / 最終更新:2022.12.15
DaaSを利用する上でのメリットは何があるでしょうか。DaaSのサービスは、他のXaaSなどと同じインターネット上のサービスとなります。当然のことながら自社でハードウェアやネットワーク、ストレージといったインフラを保有する必要がないというのが最大のメリットとなります。インフラを持つ必要がありませんので、それに伴う障害対応や管理といった工数も削減することができます。様々なIT関連の雑誌やブログの記事を読んでいますと、IT予算の70%程度がシステム運用の予算として利用されているという記述があります。DaaSを利用することで少しでも予算の削減を実現できるのではないでしょうか。
また、前回もご紹介したとおり仮想デスクトップは様々な技術の集合体です。自社で仮想デスクトップのエンジニアを育成しようとすると、そのコストだけでもかなりの投資になるのは間違いありません。もちろん、数千を超えるオーダーの仮想デスクトップ数を管理するのであれば、社内でエンジニアを育成するのも一つの選択肢となるとは思います。しかし、それほど数が多くなければDaaSを利用する利便性のほうが優位になるのではないでしょうか。
自社でインフラを所有した場合、データセンターのラック、電源、ネットワーク接続なども運用以外にもコストが発生します。DaaSの場合は、これらのコストも含めて月額費用として回収するモデルとなっていますので、比較的競争力をもった価格で提供されています。
DaaSのデメリット
DaaSを利用するということは、日々利用するデスクトップ環境をインターネット上で利用することになります。管理しないでよくなる分、障害発生時の対応はすべてベンダーに依存することになります。仮想デスクトップはデスクトップ環境を集中管理して、社員の皆さんにデスクトップ環境を提供することにより、効率よくハードウェアリソースを利用することができる環境です。しかし、逆にいうと障害発生時の影響範囲も大きくなる可能性があります。DaaS環境で障害が発生したら社員の皆さんが仮想デスクトップを使えなくなり、業務実施できなくなるかもしれません。障害発生時の影響範囲をリスクとしてとらえる必要があるかどうかは、業務形態よると思いますが、もし、障害発生をリスクととらえるのであれば、仮想デスクトップ環境を使えない場合の業務影響を明確にして対策などを検討する必要があります。
また、DaaSを提供している業者の経営に関してもデメリットととらえる必要があるかもしれません。提供側に企業が倒産などの状況となった場合、継続してサービスを利用できるかどうかなども検討しておく必要があります。契約内容などもしっかりと確認して対策を検討しましょう。
まとめ
メリット・デメリットを検討しましたが、集中管理という仮想デスクトップの特性に基づくメリット・デメリットとなりました。これらのメリット・デメリットはSaaSやPaaSなどのサービスにも言えることかもしれません。しかし、DaaSでは、利用者が役職員、ひとりひとりとなりますので、影響範囲は会社全体に及ぼす可能性があります。運用というファクターで考えるとコストメリットはかなり大きくなります。しかし、障害発生時の対応などをしっかりと検討しておくことも重要なポイントとなります。
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