大喜多 利哉の最新ネットワーク技術事情

著:大喜多 利哉氏

IoTを支える技術第02回 15年06月更新

先日、スマートフォン&モバイルEXPOにて、「IoTを支える技術」というタイトルで講演致しました。

まずIoTという言葉の定義からですが、明確な定義は今のところ存在しません。一般的には以下のように認識されています。

(1)IoT(Internet of Things):モノのインターネット
物理的なモノとデータ集約基盤のネットワーク
モノから得られた情報をデータ集約基盤に送信し、データ分析によってビジネスに生かす

(2)IoE(Internet of Everything):すべてのインターネット
物理的なモノとデータ集約基盤のネットワーク
属性情報とデータ集約基盤のネットワーク
属性情報とは
・場所にひも付いた情報(例えば訪問者の人数や待ち時間など)
・人にひも付いた情報(誰が、どこで何をしたのか)
・交通系ICカードの利用情報、スマートフォンのGPS情報などもこちらに含まれると思われる

データ分析によってビジネスに生かす点では共通、IoTよりより広い概念とされる

要約すると、今注目されているIoTとは、「デバイスからデータを大量に集めて分析しビジネスに生かす」ことと言ってよいように思います。
アーキテクチャの概略を図解すると以下のようになります。

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なぜ今IoTが注目を集めているのか?その背景についてまとめてみました。

(1)クラウドサービスの台頭
データ集約するためのディスクスペースや、データ分析のための膨大なコンピューティングリソースが「使いたいときだけ使う」ことができるようになり、これまでよりも安価で効率的にできるようになった。
(2)通信インフラの爆発的な普及
モバイルネットワーク網の拡大・コスト低下、Wi-Fiによる無線通信の一般化、スマートフォンの普及。

(1)(2)から、「センサデータを収集・分析・活用する」ことが現実的になってきて、IoTの意図することが実現できるようになった、まさに技術が構想に追いついたと言えるでしょう。

 そんな今まさに旬のテーマであるIoTですが、まだまだ課題もあります。
・モノとセンサの連携で取得したい情報が取得できるか?
・モノとデータ集約基盤をどう接続するか?
・日本国内ではモバイルネットワークやWi-Fiの普及率は高いが、グローバル製造業の場合、「世界」という視点でデータ収集の仕組みを考えなければならない(世界的には通信インフラは日本ほど発達していない国も多い)
・センサーデバイス/コンピューティングがまだまだ高価(1台数万円単位では爆発的普及は難しいのでは)
それでもコスト的にペイする規模のビジネスならばよいが、普及の障壁となる

ただ、IoTが実現可能なフェーズになり、さらに注目を集めるようになって、IoTの基盤である「データ収集・分析・活用基盤は整ってきた」といえます。IoTが拡大すれば、デバイスや基盤の値段も、これまでよりさらに下がることになり、一層広がっていくことが期待できます。これからIoTビジネスに参入される、既存ビジネスをIoTで進化させるといったような場合、最初の一歩は「何の情報を集め、どのように活用するか」であると言えるでしょう。

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