データセンターはどんな場所にある?あなたに合った選び方を解説します! 第04回 23年10月 / 最終更新:2023.10.10
目次
ITが普及した現代のビジネスにおいて、データセンターは企業や組織のITインフラを支える重要な存在です。そのため、データセンター選びは慎重に行うべきですが、選ぶ際のポイントはたくさんあり、なにをポイントに選べばいいか悩む方も多いと思います。
その中でも、今回はデータセンターの「場所」に着目して詳しく解説します。
データセンターを選ぶ際、施設内の設備やサービス内容に目がいきがちですが、場所も意外と重要な要素です。本記事ではケース別の具体的な選び方も解説するので、データセンターの利用を検討されている企業や組織の方は、是非参考にしてください。
データセンターとは?
まずは簡単にデータセンターについて説明します。データセンターはサーバや通信機器、データ保存装置などのITインフラを集中的に配置・管理する施設です。
データセンターの主な役割は、サーバや各種機器の管理、運用、高い可用性の維持などです。これらを実現するために、セキュリティ対策や電源の確保、冷却システムなどの設備を整えています。また、自然災害やシステム障害からデータを守るためのバックアップや冗長化も、データセンターの重要な役割です。
企業の大切な資産であるシステムやデータを守るために、データセンターは非常に大きな役割を担っています。
データセンターはどこにある?
データセンターはどのような場所にあるのでしょうか。ここでは、データセンターの「場所」について、詳しく解説します。
正確な住所は公開されない
データセンターは、多くの企業や組織の重要な情報を保管する場所であるため、高セキュリティであることが極めて重要な施設です。そのため、セキュリティ対策の一環として、データセンターの正確な住所は公開されないことがほとんどです。
とはいえ、完全に場所を秘密にしているわけではありません。多くの場合、「主要7都市」や「〇〇県△△市内」といった表現で、おおよその地域を公開しています。
内部は迷路のように複雑
データセンターは、建物の住所を公開しない他に、建物内にも物理的なセキュリティリスクを回避する対策が施されています。
まず多くのデータセンター内部は、迷路のように複雑になっていたり、入口が分かりにくかったりと、部外者がマシンルームへ容易に侵入できない設計になっています。加えて、通路やエレベーター、マシンルームの出入口には、生体認証やICカードなどを用いた入退室制限、多数の監視カメラ設置など、外部からの侵入を防ぐために二重三重に対策されています。
私が過去に利用したデータセンターも、何度もカード認証をする必要がありました。さらにマシンルームへ入るために顔認証を求められ、マシンルーム内へたどり着くまでにかなり手間がかかった記憶があります。
このように、企業や組織から預かった大切な資産を守るため、データセンターは物理的に強固なセキュリティ対策をしています。
データセンターの場所
ビジネスの中心地である東京都23区をはじめとした主要都市には、多数のデータセンターが存在しています。一方で、自然災害や電力供給の安定性を考慮し、近年は郊外へデータセンターの分散も推奨されています。特に日本は地震リスクを考慮すると、全国各地のデータセンターにシステムやデータのバックアップを物理的に分散させることがリスクヘッジとなります。
さらに国内だけでなく、海外のデータセンターにシステムを預ける選択肢もあります。コスト削減やリスク分散などの観点から、今後も海外のデータセンターを利用するケースが増加する可能性があります。
このようにデータセンターは、ニーズや地理的な要因などによって様々な場所にあります。それぞれの立地におけるメリットデメリットを考慮して、最適なデータセンターを選ぶことが重要です。
データセンターの場所の選び方
ここからは、どのような場所にあるデータセンターを選べばよいのかを、ケース別に解説していきます。
ハウジングの場合
ハウジングとは、企業や組織が自らのサーバや通信機器を持ち込み、データセンター内のラックに設置して預けるサービスです。
ハウジングの場合、自社の資産としてサーバや機器がデータセンターに設置されるため、定期的なメンテナンスやトラブル発生時など、現地への訪問が必要となるケースがあります。そのため、データセンターを選ぶ際には、アクセスの利便性を考慮に入れる必要があります。
特に緊急時、現地への訪問に時間がかかることは大きなリスクです。そのため、データセンターへのアクセス時間を考慮して、緊急時のアクションプランを立てておくことが重要です。
ホスティング、クラウドサービスの場合
ホスティングやクラウドサービスを利用する場合は、サービスプロバイダが準備したシステムの一部を利用します。サーバや機器のメンテナンス、管理などはサービスプロバイダが行うため、利用者が直接データセンターを訪問するケースは基本的にありません。
従って、データセンターの立地については、アクセスの利便性よりも、安定性や障害への耐性が重視されます。特に日本のように地震が頻発する地域では、地震の発生頻度や地盤の強さを確認することが重要です。他にも洪水や土砂崩れなど、自然災害からデータセンターを守るための対策が十分にされているかが、大きな判断基準となります。
ホスティングやクラウドサービスを利用する場合、サービスの持続性やデータの安全性を優先して、データセンターの環境や立地を選ぶことが望まれます。
安全性を重視する場合
データの安全性を最優先する場合、いくつかのポイントを考慮する必要があります。
まずデータセンターは、セキュリティ面や電源の供給といった基本的なインフラが安定している点で有利です。ただし、日本は地震などの災害が起きやすいというリスクがあります。そういったリスクをカバーして安全性を確保するには、地方のデータセンターへデータを分散し、メイン利用のデータセンターと同時に被災するリスクを回避する方法が有効です。
また、自社にサーバ室を設置している場合やすでにデータセンターを利用している場合も、データを遠隔地のデータセンターにバックアップすることで、さらに安全性が高まります。
まとめると、データの安全性を最優先する場合、国内データセンターを利用し、さらにデータを地方のデータセンターへ分散をすることをお勧めします。
コストを抑えたい場合
システム運用には多額のコストがかかるため、なるべくコストを抑えたいと考える企業も多いでしょう。コストを効果的に抑えるには、海外のデータセンターを利用するという選択肢があります。土地代や人件費が安い国や地域のデータセンターを利用すれば、初期投資や運用コストの削減が可能です。
また、自然災害のリスクが低い地域を選ぶことで、予期せぬトラブルや復旧コストを抑えることもできます。
ただし、海外のデータセンターを選択する際はいくつかの注意点があります。治安の問題やセキュリティ基準の違い、電源供給の不安定さなど、セキュリティや安定性において、国内のデータセンターに劣るケースがあるため、この点は考慮が必要です。
コスト面のメリットだけでなく、リスクを十分に評価し、総合的な判断を下すことが重要です。
まとめ
本記事では、データセンターの場所について、具体的なケースの選び方も含めて解説しました。
データセンターの場所は、国内の主要都市と郊外、海外の3つに分類されます。それぞれにメリットとデメリットが存在するので、利用者が何を重視するかにより選択することが大切です。
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