データセンターの市場規模は今後どうなる?データをもとに解説します! 第06回 23年12月 / 最終更新:2023.12.22

大切なシステムやデータを安全に運用するために、データセンターを利用する企業が増えています。
データセンターの具体的な市場規模と、今後の予測を解説します。

本記事を読めば、データセンター市場の将来が明るい理由がわかります。
データセンターの利用を検討している企業の担当者は是非ご参考にしてください。

国内データセンターの市場規模

国内データセンターの市場規模は順調に成長しており、今後も拡大することが予想されます。国内データセンターの市場規模が拡大する理由を以下の3つの視点から解説します。

①データセンター市場規模の推移
②データセンター市場規模の今後の予測
③国内データセンターの建設投資予測

データセンター市場規模の推移

2022年における日本国内のデータセンター市場規模は2兆257億円に達し、初めて2兆円の大台を突破しました。前年比成長率は15%を超え、過去の市場を見ても特に顕著に伸びています。

過去の推移を見ると次の図のとおり、2000年以降、右肩上がりに成長を続けてきました。2022年の2兆257億円という数字は2015年の3倍以上であり、急速に市場が拡大してきたことがわかります。

日本のデータセンター市場推移(サービス売上)

出典:「日本のデータセンター市場推移(サービス売上)」綜合ユニコム株式会社(株式会社野村総合研究所作成)

 

データセンター市場が成長した背景には、データ使用量の増加やクラウドサービスの普及、DX化の加速など、さまざまな要因があります。国内データセンター市場は、テクノロジーの進化とともに、これからも拡大を続けるでしょう。

データセンター市場規模の今後の予測

日本国内のデータセンター市場は、今後も成長すると考えられます。総務省の調査によると、次の図のとおり、2026年には市場規模が3兆2,083億円に達する見込みです。成長率は2022年をピークに緩やかに鈍化しつつも、毎年10%以上の成長率をキープすると予測されています。

日本のデータセンターサービス市場規模(売上高)の推移及び予測

出典:「日本のデータセンターサービス市場規模(売上高)の推移及び予測」総務省|令和5年版 情報通信白書

 

市場が拡大する理由のひとつとして、ハイパースケールデータセンターのような大規模なデータセンター需要の増加があります。AIやビッグデータの需要拡大により、高容量のデータストレージと処理能力が求められているためです。

国内データセンター市場は、IT技術の進化とともに安定した成長を続けていくと思われます。

国内データセンターの建設投資予測

IDC Japanの調査によると、2023年には日本国内でのデータセンター建設投資が3,222億円(前年比16.4%増)に達すると予測されています。2024年の投資規模は、2023年の約1.55倍に拡大し、5,000億円を超える見込みです。2024年から2027年にかけても、毎年5,000億円を超える投資が続くとされています。

国内の事業者データセンター新設/増設投資予測: 2022年~2027年

出典:「国内の事業者データセンター新設/増設投資予測: 2022年~2027年」国内データセンター建設投資予測|IDC Japan 株式会社

 

データセンター建設投資が増加する要因として特に大きいのが、クラウドサービス向けのハイパースケールデータセンターの増設需要です。大規模なデータセンターの需要拡大により、市場への新規参入企業も増え、データセンター市場の活性化が見込まれます​​。

世界のデータセンターの市場規模

国内と同様に、世界のデータセンター市場も拡大傾向です。ここでは世界のデータセンター市場規模について解説します。

世界のデータセンターの市場規模推移

世界のデータセンター市場も、ここ数年で顕著な成長を遂げています。2022年の市場規模は、前年比で32.3%増の27兆5,081億円に達しました。2023年にはさらに上回り、過去最高の金額になると予測されています。

世界のデータセンターシステム市場規模(支出額)の推移及び予測

出典:「世界のデータセンターシステム市場規模(支出額)の推移及び予測」総務省|令和5年版 情報通信白書

過去の推移を見ると、2012年から2022年の10年間で、市場規模は約1.6倍に成長しました。感染症流行の影響による2020年からの一時的な落ち込みを除き、世界のデータセンター市場は安定した成長を続けています。

データセンターの市場規模は、国内だけでなく世界的に拡大しています。

国内と海外のデータセンターの違い

海外のデータセンターには、国内のデータセンターと異なるメリット・デメリットがあります。

海外のデータセンターのメリット

・土地代や人件費が安い
・自然災害のリスクが少ない地域がある
・海外に拠点を展開している場合、海外でのアクセス速度が向上する

海外のデータセンターのデメリット

・地域によっては治安が良くないため、セキュリティリスクや人為的なトラブルが発生しやすい
・電源供給が不安定な地域がある
・日本語がサポートされていないことが多い

国内のデータセンターも海外のデータセンターも、市場が拡大傾向にあるため、データセンター利用の選択肢はより広がっています。コスト効率や性能、セキュリティ、サポートなどを比較し、国内と海外のどちらを利用するかを選択します。特に海外のデータセンターを利用する際は、デメリットを十分に考慮することが重要です。

クラウドサービスの市場規模

クラウドサービスの市場規模が拡大していることも、データセンター市場の成長を後押ししています。ここではクラウドサービス市場の動向、データセンター市場とクラウドサービス市場の関係について解説します。

クラウドサービスの市場規模

クラウドサービスの市場は、著しい成長を遂げています。IDC Japanのレポートによると、2022年の日本国内クラウドサービスの市場規模は5兆8,142億円(前年比37.8%増)に達しました。

さらにIDC Japanは、2022年から2027年にかけて年平均17.9%のペースで成長すると予測しています。本予測では2027年のクラウドサービスの市場規模は2022年比で約2.3倍の13兆2,571億円となる見込みです。

国内クラウド市場 用途別売上額予測、2022年~2027年

出典:「国内クラウド市場 用途別売上額予測、2022年~2027年」国内クラウドサービス市場予測|IDC Japan 株式会社

データセンター市場とクラウドサービスの関係性

クラウドサービスの提供基盤であるデータセンターの市場に、クラウドサービスの市場成長は好影響を与えます。

特に、Amazon Web Service(AWS)やMicrosoft Azureなどの大手クラウドサービスプロバイダーは飛躍的に成長を続けており、データセンター市場に好影響を及ぼしています。大手クラウドサービスプロバイダーは大規模な施設を必要とするため、(データセンターの建物を1社が管理し、それをリースする)ホールセールデータセンターのような大規模データセンター事業者の需要を増加させています。

クラウドサービスの市場規模が成長を続けていることも、データセンターの市場規模が今後も拡大していくことを示しています。

まとめ

本記事では、下記の3つの観点から、データセンターの市場規模が今後も拡大することを解説しました。

・国内データセンターの市場規模は毎年10%以上成長する見込み
・海外のデータセンターの市場規模も拡大が予想されている
・クラウドサービス市場の拡大が、データセンター市場の成長を後押ししている

国内外のデータセンター市場が拡大することで、利用できるデータセンターの選択肢が増え、データセンターを活用する企業も増加すると思われます。

鈴与シンワートは東京、大阪・北陸・九州・沖縄にデータセンターを展開し、ハウジングサービスやクラウドサービスを提供しています。
データセンターやクラウドサービスの利用を検討されている方は、是非お気軽にご相談ください。
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