サーバラックとは? メリットや選定ポイント、設置時の注意点について解説 第04回 24年11月 / 最終更新:2024.11.14
目次
サーバ( Server )とは、インプットされたデータを電算処理し、アウトプットする機器のことです。ITエンジニアの方以外は、サーバを日常的に目にする機会はあまりないかと思います。サーバが稼働することで、データの変換やファイルの共有なども実現されます。
サーバの収納、保護には「サーバラック」が有効です。サーバラックは、サーバ自体を保護するだけでなく、セキュリティを高める効果も期待できます。
本コラムでは、サーバラックの概要やメリットについて詳しく解説します。サーバラックの選定ポイントや設置時の注意点も解説しますので、参考にしてください。
サーバラックとは
サーバラックとは、サーバを収納する専用の棚のことです。サーバは熱を帯びやすく、通気性の悪い環境で長時間稼働させると故障のリスクが高まります。サーバラックは、通気性を確保するために側面や背面がメッシュ状になっていることが多く、効率的に熱を逃がす設計がされています。
サーバラックを導入するメリット
サーバラック導入の主なメリットは、以下の4点です。
・スペースの効率化
・セキュリティ強化
・ケーブルの配線整理
・サーバ損傷リスクの軽減
それぞれのポイントについて解説します。
スペースの効率化
サーバラックは、サーバやネットワーク機器を縦に積み重ねて設置するため、床面積を節約することができます。
特にスペースが限られているオフィスやデータセンターでは、サーバラックを使用することで限られたスペースを効率的に使うことができます。
セキュリティ強化
サーバにはさまざまなデータが保存されています。
例えば、企業の機密情報や顧客の個人情報などの重要なデータが保存されているサーバもあります。施錠可能なサーバラックを使用すれば、サーバへの物理的な不正アクセスや、盗難を防ぐことができます。
機密性の高い情報を多く取り扱う企業にとっては、鍵付きのサーバラックを導入することはセキュリティを強化する上では効果的です。
ケーブルの配線整理
サーバに接続されているケーブルを乱雑な状態にしていると、接続不良や故障につながりやすくなります。
サーバラックには、ケーブルをまとめるパッチパネルやケーブルホルダーが付属されていることが多く、複雑な配線の整理を可能にします。ラック内のケーブルを整理することで、サーバの安定稼働を保ち、トラブルシューティングやメンテナンスを容易にします。
サーバ損傷リスクの軽減
サーバをサーバラックに固定することで、地震などでサーバが転倒するリスクを軽減します。
特に耐震仕様のサーバラックを導入すると、サーバが倒れて損傷するリスクが軽減されます。
サーバラック導入のポイント
サーバラックを導入する際は、以下のポイントを確認しましょう。
・サイズ
・通気性
・耐震性
サイズ
サーバラックは「U(ユニット)」という単位で高さを表すのが一般的です。1Uは約44.45mmの高さに相当し、サーバやネットワーク機器は一般的に1U、2U、4Uなどのサイズがあります。
サーバラックのサイズは、設置予定機器のサイズや数量、今後の拡張予定などを考慮して選びましょう。
例えば、10U分のサーバ機器を設置する場合は拡張性を考えて12Uや15Uのサーバラックを選ぶと、将来の機器追加に対応できます。
通気性
サーバは稼働中にかなりの熱を発するため、ラックの通気性は非常に重要です。メッシュパネルや通気孔の多いサーバラックを使用することで通気性を確保しやすくなります。
耐震性
耐震仕様のサーバラックは、通常のラックよりも堅牢なフレーム構造を持ち、揺れに対して強い設計になっています。
特に地震が多発する地域や、重要なデータを扱う場合は、耐震仕様のサーバラックを選ぶことをおすすめします。
サーバラックを設置する際の注意点
ここでは、サーバラックを設置する際の注意点について解説します。特に注意しなければいけないのが以下の3点です。
・メンテナンス作業のスペースを確保して設置する
・適切な空調管理
・耐震性を確保する
それぞれの内容を解説します。
メンテナンス作業のスペースを確保して設置する
サーバの運用・保守には、サーバの故障対応や部品交換など定期的なメンテナンスが必要です。サーバラックを設置する場所は、メンテナンス作業のスペースを確保した上で決めなければなりません。
そのため、サーバラックの前面・背面に少なくとも1メートルほどの作業スペースを確保することをおすすめします。また、サーバラックを購入した際は設置場所までの運搬が必要なため、搬入経路の通路幅やドアの幅、高さなども事前に把握しておきましょう。
適切な空調管理
サーバを正常に動作させるためには、適切な空調管理が欠かせません。サーバラック内は適切な気温を保たないと、機器の故障につながる恐れがあります。
データセンターやサーバルームで広く採用されている方式が、コールドアイル/ホットアイル方式です。
この方式は、サーバラックの前面は冷気を集めた空間(コールドアイル)にし、背面はサーバの排熱を集めた空間(ホットアイル)にすることです。コールドアイル/ホットアイル方式を取り入れることで、サーバの冷却効率が向上します。
また、サーバラック内の気温を適切に管理するためには、リアルタイムで温度をモニタリングすることも重要です。サーバラック内に温度センサーを設置し、定期的に気温を監視することで、異常な気温上昇が発生した際にも迅速な対応ができます。
耐震性を確保する
サーバラックを設置する際は、耐震性を確保することも重要です。
サーバラックを安定させるためには、床や壁にしっかり固定する必要があります。たとえば、アンカーボルトや地震対策用の固定金具を使用し、ラックを直接床や壁に固定することで安定性を高めることができます。
特に重い機器が収納されたラックは重心が高くなるため、しっかりと固定することが重要です。
「サーバラックとは?」のまとめ
このコラムでは、サーバラックの概要やメリット、導入ポイント、設置時の注意点について解説しました。
サーバには企業の機密情報や顧客の個人情報などの重要なデータが保存されています。サーバラック内にサーバを設置することで、サーバへの物理的な不正アクセスや、盗難の可能性を低減します。さらに、地震などでサーバが転倒するリスクも軽減でき、万が一の災害時の備えにもつながります。限られたスペースを効率的に使えるメリットもあります。
実際にサーバラックを設置する際は、ラック周りの作業スペースを確保し、空調管理に注意を払いましょう。
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