OpenStack海外動向コラム

著:野田貴子氏

中国における将来のクラウドコンピューティングの予測第20回 18年07月更新

こんにちはー。野田貴子です。今回はOpenStack関連のコラムで面白いものがあったので意訳版をお届けします。昨今、OpenStackの注目度が高まっており、OpenStack開発者メーリングリストやコラムをチェックしている人も多いと思います。英語が苦手な方にとっては、日本語で要約版があると助かるのではないかと考え、日本語意訳したものをお伝えすることにしました。
興味がある方はご覧ください。海外動向を理解する上での参考になれば幸いです

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「オープンソース技術の受け入れに関して中国は比較的高いレベルにあります」と研究者の Fei Ma氏は語りました。彼はコンテナやマルチクラウドなどについても語りました。

中国はこの1、2年OpenStackに膨大な投資をしてきました。たとえば中国のユニオンペイ、中国鉄路総公司、国家電網公司、その他多数の利用者などからの大掛かりな事業があげられます。

中国におけるOpenStackの未来の実態を得るために、スーパーユーザーは中華人民共和国工業情報化部(MIIT)の直接の傘下にある科学的研究の機関、中国信通院(CAICT)のシニアエンジニアである Fei Ma氏と同座しました。

彼の研究はクラウドコンピューティング、オープンソース、そして相互運用に焦点をあてています。彼はまた、現在、産業向けオープンソース協定のOpenStack相互運用(OSCAR)のチームリーダーの役割も果たしています。

あなたの研究はOpenStackにどのように関わっていますか?

研究部署の一つはオープンソースに専念しています。私たちは中国におけるオープンソースのポリシーと中国市場でのオープンソース技術の発展について研究しています。研究報告の多くはウェブサイトで公開しています。また、様々なソーシャルメディアのアカウントを利用して、一般の方々にオープンソースとクラウドコンピューティングについて教育をしています。

中国ではオープンソース技術はどう捉えられ、利用されていますか?

私たちの研究によると、中国ではオープンソースに対する受け入れは比較的高いレベルにあります。クラウドコンピューティングにおけるオープンソースに関して2017年に実施したアンケート調査によると、中国において、プライベートクラウドを利用するビジネスのうち、85.3%は何らかの形のオープンソース技術を利用したことがあります。技術の成熟と安定がビジネスでは優先事項となりますが、そのためにオープンソースが選ばれています。一方で、オープンソースを利用したことのない人にとっては、セキュリティが一番の懸念となっています。

あなたの研究は中国でのOpenStackの受け入れについて何を物語っていますか?

中国人はOpenStackに対してかなり積極的です。2017年の時点で、プライベートクラウドを持つ中国のビジネスの41.1%がすでに生産のためにOpenStackを使用した経験がありました。2016年から2017年にかけては、試用環境でOpenStackを利用したことがある中国のビジネスは8.4%増加しました。私たちは2018年も同じような増加を見込んでいます。OpenStackでの解決を選ぶという事に関しては、中国のビジネスは商用のOpenStackでの解決を望んでいます。プライベートクラウドを持つ中国人企業の約48.2%は、商用ソフトウェアを購入したことがあります。OpenStackのリリースという点では、ほとんどの会社はLibertyを使っています。一番広く受け入れられているOpenStackのプロジェクトはノNova、KeystoneとHorizonです。今後のOpenStackの発展への見込みとしては、45.2%の中国企業がマルチクラウドの管理は早急に解決されなければならないと考えており、また自動化ツールも必要だとしています。

コンテナについてはいかがですか?

コンテナ技術は広く受け入れられており、コンテナの受け入れも増加しています。2016年から2017年にかけて中国の企業ではコンテナ技術の利用が6.8%増加しました。急成長をしている中国の企業の中には、コンテナ技術を試用環境で利用している者もいます。なぜより多くの中国企業はコンテナ技術を選択しているのでしょうか?その理由は素早い発達と急速で変化のある拡大であります。コンテナエンジン技術については、Docker がその分野のリーダーとなっており、LXCが急速に成長しています。

あなたのチームはどのように自分たちより大きいコミュニティの知識を増やしているのでしょうか?

私たちの調査の全ては公開されていて、ウェブサイトで無料で閲覧できるようになっています。研究してその結果をまとめるには時間がかかりますが、私たちは一般の方々にもこの技術を学んでいただきたいですし、私たちのイメージを作り上げるのには素晴らしい方法だからです。もちろん、有料にすることもできますが、私たちはあえてそれをしません。

私たちは実に多くの研究とアンケートを行ってきました。今までOpenStackについて知らなかった方々も私たちのアンケートの質問を読むことによってOpenStackを知ることになります。これは彼らにとってOpenStack技術の一般的な知識を得るには大変良い機会です。潜在的なOpenStackの利用者はOpenStackが何かは分からないかもしれませんが、彼らは皆どのような解決方法が市場に出回っているのかには興味があるはずです。私たちは利用者を教育する必要があります。利用者にOpenStackを知ってもらい、オープンソースは選択できるものだと知ってもらいます。私たちの研究の全ては2022年3月に北京で行われるOSCARのオープンソースクラウドコンピューティング産業サミットでも公開する予定です。

あなたにとってオープンソースとは何ですか?

オープンソースの定義は利用者と提携者にとってかなり違うものだと思います。私たちはオープンソースに対して大変中立的な意見を持っています。調査機関ですので、オープンソースから利益を得るのではなく、オープンソースについて調査をしています。オープンソースはクラウドコンピューティングシステムが人々により多くアクセスできるいい方法です。人々は商品を買う代わりにオープンソースの知識を用いて自分自身でプラットフォームを作ることができます。

 

ごく最近、バンクーバーサミットで Fei Ma氏はXiaodong Pan氏と昨今の中国におけるOpenStackの状況について語り合いました。20分間のセッションはこちらでご覧いただけます。

https://youtu.be/0fMlQhH2vwg

※本コラムは以下の文章を意訳したものです。

引用元
http://superuser.openstack.org/articles/future-cloud-computing-in-china/
※本コラムは原文執筆者が公式に発表しているものでなく、翻訳者が独自に意訳しているものです。