第10回中国オープンソースハッカソンの要約 ~プロジェクトや講演などについて~ 第37回 20年01月 / 最終更新:2020.01.15

今週、北京で第10回中国オープンソースハッカソンが開催されました。2015年の初開催以来、中国オープンソースハッカソンは10回開催され、今週のイベントではOpenStack、Kata Containers、StarlingXが取り上げられました。今週は北京で大雪が降りましたが、このハッカソンに対する開発者の熱意は冷めませんでした。細かい話はさておき、スーパーユーザーはみなさんが見逃したかもしれない活動をまとめました。

 

Kata Containers:

このハッカソンでは、Ant FinancialとAlibabaの5人の開発者が、今後の2.0開発サイクルの2つの重要な機能を実証しました。その中で、Tao PengとEryu Guanは、彼らが設計したNydusという名前のミラーリングシステムのデモを行いました。Nydusは、OCIミラーリングコミュニティの将来の進化方向を結び付けてOCIアーティファクトとvirtio-fsの新しい開発を使用し、分離、プル速度、メモリ効率などを考慮して、Kata 2.0のミラーリング設計のリファレンスを提供しています。

Kata Containersの開発者は、Nydus rootfsマウント形式の解析をサポートするためにハッカソンでKataをコーディングして、Kata Containersで非常に高速な起動を実現できるようにしました。さらに、Kataのリソース消費要件を削減する目的により、Hui Zhu、Bo Yang、Fupan Liはrustを使用したkata-agentの再実装に基づいてGRPCをrust-ttrpcに置き換え、kataランタイムに対応する変更を行いました。また、クラウドハイパーバイザー + rust kata-agent + ttrpcの組み合わせでKata Containersを起動する方法をデモし、現在の1.Xバージョンのkata(qemu + go kata-agent + grpcの組み合わせ)と比較しました。匿名ページの実行時にgo言語とGRPCを実装した元のkata-agentは実行時に約11Mを消費しましたが、rust言語とTTRPCで実装したkata-agentは約500,000しか消費しなかったため、Kata Containers自体によるメモリリソースの消費を大幅に削減することができました。

OpenStack:

最初の中国オープンソースハッカソンに参加したプロジェクトの特徴のとおり、OpenStackはこのイベントに10回参加してきました。OpenStack Cinder、Cyborg、Novaプロジェクト開発者の熱意は、今でもあらゆる人に影響を及ぼしています。このハッカソンはOpenStack Ussuriプロジェクトの初期段階で行われたため、OpenStack開発者はバグをレビューしてパッチを提出しただけでなく、Ussuriでの機能の提案に役立つ仕様のポイントについても議論しました。

このハッカソンでのOpenStackのもう1つの目玉はOpenStack Tricircleです。ハッカソンの初日、華中科技大学のFangming Liu教授によるプレゼンテーションは、参加者がOpenStack Tricircleについてさらに学ぶのに役立ちました。OpenStack Tricircleは、マルチリージョンOpenStackクラウドのNeutronサーバー全体でネットワーク自動化を提供します。クラウドは地理的に分散したデータセンターによってサポートされ、複数の地域に展開されます。OpenStack Tricircleチームは、HuaweiやOpenStackコミュニティの他のメンバーとも協力しています。

StarlingX:

この2日間のハッカソンでStarlingXコミュニティはStarlingXのCephコンテナ化の道を切り開き、クラウドネイティブに向けて大きな一歩を踏み出しました。StarlingXネットワークの管理性を継続的に強化するために、StarlingXはSDNソリューションの統合の実現可能性を検討しています。

前回の中国オープンソースハッカソンと同様に、StarlingXチームはCephコンテナ化とスモールノードBlueprint仕様の更新に関するStarlingX 4.0機能の公開討論についてのミニミートアップとテクニカルディスカッションを開催しました。StarlingXチームはTungsten Fabric SDN機能セット、アーキテクチャ、そしていくつかのBGP VPNソリューション(VSNX、CSNXなど)を共有したJuniper Networkチームと技術的な議論を行いました。StarlingX開発者は、JITStackチームを新しいコミュニティの貢献者として支援しました。また、コミュニティロードマップの整合を可能にするIndustry Edgeソリューションについて、China Unicom Wo Cloudチームと議論しました。

今週、StarlingXコミュニティは月曜日にStarlingX 3.0リリースを正式にリリースしただけでなく、第9回China Cloud Computing Standards and Applicationカンファレンスで今年のChina Excellent Open Source Project Awardを受賞しました。StarlingXコミュニティ、そしてコードを提供してくれたコミュニティメンバーのみなさん、おめでとうございました!

※本コラムは以下の文章を意訳したものです。

引用元 https://superuser.openstack.org/articles/the-10th-china-open-source-hackathon-recap-projects-talks-and-more/

※本コラムは原文執筆者が公式に発表しているものでなく、翻訳者が独自に意訳しているものです。