安定したシステム運用に必要なことの一部分 第03回 20年07月 / 最終更新:2020.07.22

こんにちは、吉政創成 菱沼です。
今回ご紹介する事例は、物理サーバで運用されていたASP/SaaSパッケージをS-Portクラウドに移行したというものです。この事例では運用面を特に評価して移行が決定されたようです。
そこで、この記事ではシステムの運用とそれに関わる人について改めて考えてみました。

■システム運用に必要な知識とノウハウを持った人材の確保は難しい

さて、みなさまご存じの通り、ひとくちに「運用」と言ってもやることは多岐にわたります。システムが正常に、安全に、安定した稼働をするためには、まず対象となるシステムにとっての適切な構成を設計することから始まります。その後、稼働し始めたら監視・障害対応をはじめ、ミドルウェアなどのバージョンアップや変更を含めたメンテナンス、日々進化する攻撃手法への対策など、ここでは上げきれないほど存在しています。
こうした運用に携わる方の多くがインフラエンジニアやネットワークエンジニアと呼ばれる専門的な知識とノウハウを持つ方々になると思います。

こうした知識やノウハウを持った人材を確保することは結構大変なようです。
次の図はIPAが2019年に公開した「IT人材白書2019」概要のデータです。このデータはIT関連産業における人材に関するデータなので、インフラエンジニアやネットワークエンジニアに特化した調査データではありませんが、ITに関わる人材の動向を示すのに紹介させていただきます。

左側がIT企業、右側がユーザー企業の回答です。
こちらを見ると、IT企業では2~3年前より応募者が減ったと感じる企業が多いことがわかります。唯一、301~1000人以下の企業だけが若干増えたと感じる企業が多かっただけになっています。
一方、ユーザー企業では、2~3年前より応募が減ったと感じる企業より、2~3年前と変わらないと感じる企業が多く、1001人以上の企業では応募者が増えたと感じる企業が多かったと出ています。

さらにこちらの図はIT企業が感じたIT人材の量と質に対する過不足感を過去5年間分で比較した図です。近年の傾向として、IT企業への応募者の量とその質が低下していると感じている企業が多いことが読み取れます。
先にも書いた通り、確かにこのデータはどれかの職種に特化したというものではありません。ですが、ITに関わる人材が徐々に減ってきていることは確かです。
なぜそうなったのかという理由はいろいろあると思いますが、ここではテーマがずれてしまうため割愛します。ただ2017年に経済産業省が公開したIT関連産業の給与等に関する実態調査結果も結構興味深かったので、ご興味のある方はどうぞ。(昨今とは状況が変化している可能性はありますので、あしからず。)

■IT人材の不足と信頼できるパートナー

さて、ただでさえIT人材が不足している中で、今後さらに人材が不足する可能性があります。そう2025年の崖問題です。
経済産業省が2018年に公開したDXレポート内で、2025年は団塊世代が75歳を迎え後期高齢者になり、引退する人が出てくるであろうこと、また、SAPのサポートが終了することなどによるリスクから、経済の停滞が恐れられています。
そうならないよう、経産省は企業に対し、将来の成長や競争力の強化を狙い、新たなデジタル技術の活用と新たなビジネスモデルの創出と柔軟な改変を実現できるようデジタル・トランスフォーメーション(DX)の必要性を説いています。(DXレポート
その対策の一部として、老朽化や複雑化、ブラックボックス化している既存システムを刷新することを勧めています。これはレガシーシステムに対して多くのコストと人的リソースを割くのではなく、システムの刷新や新たな技術に対応できる人材の育成などをすることで、経済を停滞させない対策として挙げられています。

ここまでで挙げた人材不足とシステムの刷新、人材育成のすべてを自社で解決する必要があると考えている方はいないと思います。確かにシステム面では既存のサービスをうまく活用したり、ノンコーディングでツールを作れる便利なサービスを利用すれば、ある程度は自社内で何とかなるものはあると思いますが、ブラックボックスになる可能性も捨てきれず、すべての課題を解決することはなかなか難しいと思います。
特にシステム運用などの専門的な知識とノウハウを必要とするような場合、自社で人材を確保するよりは外部の信頼できるパートナーに依頼できれば手っ取り早く、専門家ならではの提案を受けることができるため、社員には本来集中してほしい業務にリソースを集中させることができます。

■決め手は柔軟な対応と信頼感

さて、この事例でいえば、重要なビジネスの運用基盤としてS-portクラウドサービスを選択したということですが、その決め手は機能面でも営業面でも柔軟に対応されたことにあったようです。また、鈴与シンワートと自社のお客様第一主義という考えが同じだと感じられたと言います。
これらのことから安心してシステムの運用を任せられ、本業に集中できるとともに、相談先として適切なパートナーであると考えられたのではないでしょうか。事例の詳細は以下よりご参照ください。

関西屈指のWeb系ソリューションプロバイダーのインタークエストが提供するASP/SaaSパッケージ「リザベーション・エンジン」と「IQ-FORM」がS-Port クラウドサービスVシリーズを採用しました。

株式会社インタークエスト様|S-Port クラウドサービスVシリーズ

課題:
・運用にかかる負荷を軽減したかった(24×365体制)
・物理サーバの拡張にかかる手間と積みあがるコスト問題を解消したかった
・個人情報を扱うシステムのため、セキュリティ対策を行う必要があった

お客様コメント:
鈴与シンワート様 S-Portクラウドは4年前より利用させて頂いております。ご提供頂いているクラウド環境は、パフォーマンスも高く、非常に安定しており、安心してお客様に提供させて頂いております。要件が定まっていないような相談や難しい要件については、的確な聞取りとご提案を頂いておりますし、急なお願いなどにも柔軟で親身のご対応を頂いております。どのご担当者様も安心して相談出来る方々で日ごろから助けて頂いてばかりです。
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