SDDCとは 第06回 14年01月 / 最終更新:2023.01.18

連載のタイトルが「仮想化技術最前線」となっていますので、今回は最新の仮想化トピックを取り上げたいと思います。

SDDCとは

2013年の仮想化のキーワードは何と言っても「Software Defined Data Center(以下、SDDC)」ではないでしょうか。SDDCはソフトウェアで定義したデータセンターのことです。具体的には、サーバの仮想化、ネットワークの仮想化、ストレージの仮想化統合したものがSDDCと概念になると思います。

サーバの仮想化は言うまでもなく、VMwareやHyper-Vなどを仮想化技術です。サーバ仮想化技術は比較的、成熟してきています。ネットワークの仮想化やストレージの仮想化はサーバの仮想化に伴い必要とされる技術になります。

ネットワークの仮想化

既存のサーバの仮想化ではWindows Serverなどを仮想マシン上にインストールして運用するのは比較的簡単に行うことができます。一方、ネットワークの仮想化については、以前からある仮想化技術の一つであるVLAN技術を利用してセグメントを分ける程度のことはできました。しかし、ルーティングやロードバランシングなどの機能は仮想化環境の外でしか行えませんでした。OpenFlowなどのネットワーク仮想化技術を導入することでこれらの問題が解決できるようになります。また、仮想アプライアンスとして提供されているルータやロードバランサーソフトなどを導入することで物理的なルータやロードバランサーを利用する必要がなくなりました。

さらに、ネットワーク仮想化はレイヤ2の延長などの技術も実装されています。レイヤ2はいわゆるスイッチベースとなりますが、データセンター間でレイヤ2での接続ができるようになります。つまり、データセンター間で同一セグメント上にシステムを展開することができるようになります。同一セグメントとなりますので、いろいろな利用方法が想定できるようになります。

SDDCはソフトウェアで定義したデータセンターです

ストレージの仮想化

ストレージについても同様です。以前から利用されているRAID構成はストレージ仮想化の技術の一つですが、Software Defined Storageでは、ストレージの機種などを問わず一元管理できるようになり、OSが必要となる容量をすぐに割り当てることができる技術となります。バックアップなども統合管理できるようになり、ストレージのコストに合わせた利用方法も可能になります。また、現状のストレージは冗長性を確保するためにRAID技術を利用していますが、最近では、分散ストレージシステムなどが利用されるようになりました。一つのファイルのコピーを複数のストレージに分散しておき、ストレージが壊れてもデータの損失をなくすための技術です。分散ストレージ技術を利用すればサーバの内蔵ストレージをそのまま共有ディスクとしても利用することが可能です。パフォーマンスは遅いように思えますが、SSDをキャッシュとして併用する機能があるのでパフォーマンスもある程度確保することが可能になりました。分散ファイルシステムとして動作していますのでサーバを停止してメンテナンスすることも可能です。

まとめ

以上のように、サーバだけではなく、ネットワーク、ストレージもそれぞれ仮想化して利用できるようになってきました。仮想マシンとその上に動作しているOSがどの物理サーバにインストールされているかを考える必要はほとんどありません。アクセス方法さえわかっていれば物理的なデータセンターのロケーションさえ意識する必要がないところまで来ています。

SDDCは、プライベートクラウドやパブリッククラウドといった区別もなくなる概念ではないかと思います。ただし、セキュリティ要件や業務要件などのビジネスにかかわる条件をしっかりと考慮して適切なシステムを選択することがより重要となってきます。

 

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