仮想化技術最前線

著:志茂吉建氏

仮想化技術未来予想図II第07回 14年06月更新

仮想化技術の未来予想図II(※1)を考えてみたいと思います。仮想化技術の未来はどんな未来になるのでしょうか。今ある技術を紹介しながら少し検討してみたいと思います。

■ネットワーク
ネットワークは比較的予想しやすいのかもしれません。Software Defined Network、いわゆるSDNが近い将来実装される技術です。また、現場でもSDNの採用が始まっています。SDNを利用すると、今まで複雑だったネットワーク設定が集中管理できるようになったり、各ネットワークレイヤーでの設定が必要であったモノで統合的に管理出来るようになります。つまり、ファイアーウォール、ロードバランサー、ルータ、スイッチといった区別をなくして、仮想的なネットワークを今よりも簡単に構築できるようになります。SDNはいろいろな企業で研究されており、オープンソース実装もいくつか提供されています。将来楽しみな分野の一つです。

SDNは管理面の効率化ですが、ネットワークの帯域も増えてきています。一般的に普及しているネットワークの速度は1GBbpsですが、10GBbpsが企業で利用され始めました。40GBbpsや100GBbpsといった帯域のネットワーク帯域を備えたスイッチが提供されています。帯域が増えると、単位時間あたりに転送できるデータ量が増えることになります。速くなることは当然ですが、データのやりとりがより効率化されるので分散コンピューティングの分野で処理できることや処理方法自体も大きく変わっていくのではないかと個人的には考えています。

■ストレージ
ストレージの基礎技術は今後もそれほど大きくは変わらないのではないかと考えています。しかし、ネットワーク帯域が増えることによって今まで、サーバ内だけで構成されていたストレージが、複数のサーバにまたがって機能するようになるのではないかと考えています。これも、SDNと同じようにSoftware Defined Storageの一種だと考えられます。GoogleなどはGFS(Google File System)とよばれる分散ストレージを内部で利用しています。分散ストレージは複数のサーバ上にある各HDDに文字通り分散してデータを配置する技術です。データの空き容量が足りなくなればもう一つHDDが入っているサーバを追加するだけです。このような簡単で使いやすい、拡張型のストレージシステムが今後は主流の一つになるのではないでしょうか。また、SSDとHDDを組み合わせてパフォーマンスと大容量を実現するための実装やバックアップなどもSoftware Defined Storageの流れの中でよりいっそう使いやすいものが提供されることになると思います。

■サーバ
サーバもあまり大きく変化しないのではないかと考えています。しかし、現状のCPUはIntelアーキテクチャが主流ですが、ARMとよばれるアークテクチャを採用したCPUを搭載するサーバも増えていくことでしょう。また、ARMを採用することでより低電力で利用できるサーバが登場してくるでしょう。やはり、ネットワークに進化に合わせて分散処理が主流になると思われますので、256CPU(もしくはSocket)を搭載した巨大なサーバなどは特定の分野のみにしか利用されなくなるのではないかと思います。分散処理では、2 Socketなどのサーバをたくさん用意した方が、拡張性がありますのでたくさんCPUを積んだサーバよりも効率的に運用出来るのではないでしょうか。

■OS
現状の主流OSは、Windows系、Linux系、Mac OS X系の三系統となると思います。どのOSもそれなりに進化していくことになると思いますが、CPUの性能に合わせてもっとインテリジェンス備えて、AI機能なども搭載されるようになるのではないかと密かに思っています。現在のコンピュータは設定項目が非常に多く、設定作業を行わないと利用できない仕様となっています。普通に利用するパソコンなどもそうですし、サーバなどは設定作業をちゃんとしてあげないと全く使い物になりません。クラウドなどで使い勝手はよくなってくる可能性はあると思いますが、ある環境にサーバを接続すれば設定などいらない状態で使えるようになるのではないでしょうか。RBA(Run Book Automation:手順の自動実行)とよばれる分野がもう少し、進化して簡単に使えるようになることを期待しています。

■まとめ
仮想化の技術の未来を予測しました、遠い未来を予想しようと思いましたが私のつたない想像力では、つい先の未来しか描けませんでした。しかし、どこにIT投資をしていくかはあるていど未来の技術も確認しておかないといけないと思いますので、何らかの参考になれば幸いです。

 

※1 未来予想図Iはありません。ちなみに私はドリカムのファンです。

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