グリーンデータセンターとは ~注目されている理由を解説~ 第07回 24年12月 / 最終更新:2024.12.04
目次
デジタル社会が進展する中、データセンターの重要性はますます高まっています。
インターネットやクラウドサービスの基盤であるデータセンターは、大量のデータを安全に保管し、安定したネットワーク環境を提供するために膨大なエネルギーを必要とします。
そのため、環境への負荷が大きな問題となっており、データセンターの省エネ化が喫緊の課題とされています。
そこで、近年では環境への負荷を最小限に抑えた「グリーンデータセンター」が注目を集めています。
今回のコラムでは、グリーンデータセンターやグリーン電力、SDGsとの関連性について詳しく解説していきます。
グリーンデータセンターとは
「グリーンデータセンター」とは、エネルギー効率を最大化し、環境への負荷を最小限に抑える設計や運用がされるデータセンターのことです。
従来のデータセンターは、効率的な冷却や電力管理が十分にできていないことが多く、その結果、電力消費量が増大し、温室効果ガスの排出量が問題となっていました。
![グリーンデータセンターとは](https://s-port.shinwart.com/wp-content/uploads/2024/12/4023672_s.jpg)
また、近年では企業のデジタルトランスフォーメーションの加速により、データセンター市場は大きく成長しており、データセンターの急拡大に伴う環境負荷の増大がますます問題視されています。
グリーンデータセンターは、このような問題を解決するために設計され、再生可能エネルギーの利用や先進的な冷却技術の導入をすることでエネルギーの消費量を大幅に削減し、カーボンニュートラルの実現を目指しています。
グリーンデータセンターのメリット
グリーンデータセンターは、従来のデータセンターと比べてさまざまなメリットがあります。
ここでは、グリーンデータセンターのメリットについて解説していきます。
環境負荷の軽減
グリーンデータセンターの最大のメリットは、前述した通り再生可能エネルギーの利用や効率的な冷却システムにより、環境負荷が軽減される点です。
エネルギー消費量が大幅に削減され、持続可能な社会の促進に繋がることが期待されています。
コストの削減
エネルギー効率の高い設計や、効率的な冷却システムの導入は、特に電力消費量の削減が期待でき、企業にとっても経済的なメリットがあります。
最新技術を導入することでコストはかかりますが、省エネ効果を長期的にみれば運用コストの削減に繋がります。
企業イメージの向上
環境に配慮した取り組みを行うことで、企業の社会的責任(CSR)が認められ、企業イメージの向上が期待されます。
現在、消費者や投資家の間で環境問題への意識が高まっており、グリーンデータセンターを導入する企業は持続可能性を重視していると高く評価されます。
グリーン電力とは
「グリーン電力」とは太陽光、風力、水力、地熱など、自然環境に負荷をかけない再生可能エネルギーを利用して発電された電力のことです。
化石燃料などを利用して発電する電力と比べて、温室効果ガスの排出を大幅に削減できるといったメリットがあります。
また、再生可能エネルギーにより発電されたことを証明し、公表できる「グリーン電力証書」があります。
次に、グリーン電力証書のメリットについて解説します。
グリーン電力証書のメリット
環境への貢献を可視化
グリーン電力証書の取得は、「企業が環境に配慮したエネルギーを使用していること」を可視化します。
持続可能な社会を実現するための取り組みを可視化することで、企業の評価を高めます。
ブランド力の向上
グリーン電力を利用し、環境問題に対して積極的な姿勢を示すことは企業イメージの向上に繋がります。
特に、環境への取り組みが重要視されている現在、グリーン電力の利用は企業のブランド力を高めるための重要な要素です。
市場での優位性
グリーン電力証書の取得は、消費者やビジネスパートナーに対して大きなアピールポイントになります。
特に近年、環境配慮型の製品やサービスが高評価を受けているため、市場での優位性が確保されることがあります。
グリーンデータセンターとSDGsの関連
グリーンデータセンターの取り組みはSDGsとも大きく関係しています。
例えば、SDGs(持続可能な開発目標)の目標7は「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」というテーマで、クリーンエネルギーの普及と効率的なエネルギー利用の促進を掲げています。
![グリーンデータセンターとSDGsの関連](https://s-port.shinwart.com/wp-content/uploads/2024/12/29891576_s.jpg)
グリーンデータセンターとグリーン電力の活用は、まさにこの目標に沿った取り組みであり、SDGsの達成に向けて大きな役割を果たしています。
さらに、目標13「気候変動に具体的な対策を」のテーマにも関連しており、再生可能エネルギーを用いた温室効果ガス排出削減の取り組みは、世界的な気候変動対策における重要な第一歩です。
また、「産業と技術革新の基盤をつくろう」といったテーマの目標9においても、グリーンデ-ターセンターはモデルケースとなり得ます。
このように、グリーンデータセンターはSDGsと大きく関わっていることがわかります。
グリーンデータセンターの今後
今後、グリーンデータセンターの需要はさらに高まっていくことが予想されます。
世界的にカーボンニュートラルを目指す動きが加速しており、持続可能なエネルギーの利用がますます重要視されることとなるでしょう。
さらにAIやビッグデータの普及によって、データセンターの需要もさらに増加することが見込まれており、より厳しく環境負荷への対策が求められます。
これに対応するために、データセンターのグリーン化は必要不可欠です。
実際に、世界中の多くの企業がグリーンデータセンターの導入を進めています。
また、エネルギー効率の改善と再生可能エネルギーの利用は、データセンター業界だけではなく、社会全体の課題解決にも繋がります。
鈴与シンワートのグリーン電力への取り組み
本コラムを掲載している鈴与シンワートでは、2020年10月から自社運営データセンター(S-Port東京第一センター)および本社の照明に使用する年間使用電力(約40万kWh)を100%グリーン電力※化したことを発表し、再生可能エネルギーの普及と地球温暖化防止、地球環境負荷軽減の実現に貢献しています。
鈴与シンワートは、本業を通じた社会貢献「社会との共生(ともいき)」を具現化するため、今後も更に再生可能エネルギーの利用促進を目指しています。
詳しくは、プレスリリース「鈴与シンワート、自社運営のデータセンターおよび本社の照明に使用する電力を100%再生エネルギー由来に」をご参照ください。
https://www.shinwart.co.jp/press/doc/20201001.html
※グリーン電力とは、風力、太陽光、水力やバイオマス(生物資源)などの再生可能エネルギーにより発電した電力のことです。
グリーンデータセンターのまとめ
カーボンニュートラルの社会を実現するために、データセンターのグリーン化は今後ますます重要視されます。
既にGoogleやAmazon、国内事業会社のNTTデータなど様々な大企業が再生可能エネルギーの利用で先進的な取り組みをしているように、今後さらに多くの企業がカーボンニュートラルの社会を目指していきます。
データセンターの活用を検討する際は、サービス内容やコストはもちろん、環境への取り組みについても是非、検討材料のひとつとして考えてみてください。
鈴与シンワートが提供している「S-Port データセンターサービス」では、専門チームによるサーバやネットワーク、ストレージなどの初期設定や構築作業、24時間365日の監視や障害対応など、幅広いサービスを提供しています。
貴社の要望や予算に応じたサービスの提案をします。ぜひお気軽にご相談ください。
![](https://s-port.shinwart.com/wp-content/uploads/2021/12/hedbg002.png)
サービス・ソリューション