コスト最適化の鍵はここに!データセンターとクラウドの賢い使い分け 第20回 26年06月 / 最終更新:2026.06.04

鈴与シンワートサービス紹介|S-Portデータセンターサービス

クラウドサービスは、利用状況に応じて柔軟にリソースを調整することができるため、無駄なコストを抑えられるというメリットがあります。また、ハードウェアの調達が不要になるため、初期費用を大幅に削減することができます。

しかし、クラウド環境に移行したものの、「思ったほどコストが下がらない」「運用を続けるうちに費用が膨らんできた」といったケースも少なくありません。

コストを最適化するためには、クラウド環境一択で考えるのではなく、データセンターとクラウドそれぞれの環境を、システムの特性に応じて使い分けることがカギになります。

本コラムでは、データセンターとクラウドサービスのコストの違いを整理したうえで、コスト最適化につながる「賢い使い分け」を解説します。

データセンターとクラウドサービスのコスト構造の違い

データセンターとクラウドサービスでは、システムを運用する際にかかるコストの構造が異なります。

ここでは、それぞれのコスト構造について解説します。

コストを想起させる画像

データセンターは「固定費型」

データセンターを利用したシステム運用は、「固定費型」のコスト構造になります。

例えば、ハウジングの場合は利用するラック数、ホスティングの場合はレンタルするサーバの規模などによって、月額の利用料金が決まります。オプションサービスの内容にもよりますが、基本的には月額の利用料金は固定になります。

また、サーバやネットワーク機器を自前で用意する場合は、月額の利用料金に加えて、初期投資費用や維持管理費用などを含めてコストを考える必要があります。

「固定費型」は月々のコストを予測しやすい点がメリットであり、高いパフォーマンスを継続的に必要とするシステムの場合、長期的には割安になるケースが多くなります。

クラウドサービスは「従量課金型」

クラウドサービスを利用したシステム運用は、利用した分だけ費用が発生する「従量課金型」のコスト構造が特長です。

「従量課金型」は、CPUやメモリ、ストレージ容量、通信量などに応じて料金が変動します。これらのリソースは、利用状況に合わせて柔軟に変更することができるため、無駄なコストを抑えることができます。

また、ハードウェアの調達が不要になるため、初期投資費用を大幅に削減でき、スピーディーに運用を開始できる点も大きなメリットです。

ただし、常に高いパフォーマンスを必要とするシステムの場合は、料金が増大するため注意が必要です。また、利用量に応じて料金が変動するため、利用状況を把握していないとコスト管理が難しくなる点にも注意する必要があります。

データセンターとクラウドサービスのコスト構造を比較する図解

データセンターでの運用が推奨されるシステム

システムの特性によっては、データセンターで運用する方がコストを抑えられるケースがあります。

ここでは、データセンターでの運用が推奨されるシステムについて解説します。

データセンター内部を想起させる画像

長期間・安定稼働が前提のシステム

データセンターでの運用が適している代表例が、基幹システムや業務システムなど、長期間にわたり安定稼働が求められるシステムです。利用量が大きく変動せず、一定のリソースを常に必要とする場合、固定費型の方がトータルコストを抑えやすくなります。

また、コスト面だけでなく、システム構成や運用ルールを自社でコントロールしやすい点も、データセンター運用のメリットといえます。

大容量のデータ通信が必要なシステム

大量のデータ通信が発生するシステムも、データセンター運用が向いています。クラウドサービスは、外部とのデータ転送量に応じて通信コストが発生するケースが多く、扱うデータ量が増えるほど費用がかさみやすくなります。

例えば、バックアップデータの転送や大規模なログ収集、映像・画像データを頻繁に扱うシステムの場合、データセンターを利用することで通信コストを抑えられることがあります。特に、社内システムや拠点間通信が中心の場合は、閉域網を活用できるデータセンターの方が、コスト面・安定性で有利になる可能性が高いです。

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クラウドサービスでの運用が推奨されるシステム

クラウドサービスを活用することでコストを削減できるケースも多くあります。

ここでは、クラウド環境での運用が推奨されるシステムについて解説します。

クラウドサービスを想起させる画像

負荷状況が変動するシステム

クラウド環境での運用メリットを享受できるのは、負荷状況が変動するシステムです。例えば、キャンペーンサイトなどは、期間や時間帯によって負荷状況が大きく変動します。このようなケースでは、スケーラビリティの高いクラウドサービスを活用することで、無駄なコストを抑えることができます。

さらに、クラウドサービスは、利用状況に合わせて自動的にリソースを調整する「オートメーション機能」を有しているケースも多く、人的な負担をかけずにコストを最適化することが可能です。

短期間で運用するシステム

短期間での運用を前提としたシステムも、クラウドサービスの活用が有効です。クラウド環境は、リソース停止によって課金を止められるため、期間限定で運用するシステムに無駄な固定費がかかる事態を避けられます。

また、機器の調達や構築、撤去にかかるコストを抑えられる点も大きなメリットです。

そのため、新規サービスを実験的に立ち上げる際や、検証環境を構築する際には、クラウドサービスを活用することでリスクを抑えられます。

コストを最適化する「賢い使い分け」

コストを最適化するためには、データセンターとクラウドサービスをシステムの特性に合わせて使い分けることが重要です。

ここでは、コストを最適化する「賢い使い分け」について解説します。

システムごとに配置を見直す

すべてのシステムをクラウドサービス、あるいはデータセンターへ統一して運用している場合、無駄なコストが発生している可能性があります。コストの最適化で重要なのは、システムごとに特性を見極め、データセンターとクラウドサービスを上手く併用することです。

近年では、データセンターとクラウドサービスを組み合わせたハイブリッド構成も一般的になっています。例えば、基幹システムはデータセンターで運用し、周辺システムや一時的な処理はクラウドサービスを活用するといった柔軟な構成が、コストを最適化する「賢い使い分け」です。

コスト最適化の成功事例

データセンターとクラウドサービスの使い分けによるコスト最適化には、システムの役割や利用期間に応じたさまざまなパターンがあります。

代表的な例の一つが、開発・検証環境をクラウド環境に移行し、本番環境をデータセンターで運用する構成です。検証環境は運用期間が限られるため、クラウドサービスを活用することで無駄なリソースを削減できます。一方、本番環境は長期間の安定稼働が前提となるため、データセンターの固定費で運用することで、トータルコストを抑えることが可能です。

また、基幹システムはデータセンターに配置し、データ分析や外部サービスとの連携といった周辺機能のみをクラウド環境で構築するケースもあります。このようにシステムごとに役割分担を明確にすることで、クラウドサービスの柔軟性とデータセンターのコスト安定性をバランス良く活かすことができます。

鈴与シンワートサービス紹介|ハイブリッド環境実現可能 S-Portデータセンターサービス

「コスト最適化の鍵はここに!データセンターとクラウドの賢い使い分け」のまとめ

データセンターとクラウドサービスは、どちらか一方がコストに優れているというわけではありません。必要なリソースや利用期間、通信量などさまざまな条件によって、それぞれにかかるコストは異なります。

重要なのは、それぞれのコスト構造と特性を理解し、システムごとに最適な配置を選択することです。クラウドサービスでの運用は、初期投資費用が抑えられる点や柔軟性の高さから安易に選択されがちですが、長期的にみるとトータルコストが増大するケースも少なくありません。

本コラムを参考に、データセンターとクラウドサービスを賢く使い分けて、コストの最適化を検討してみましょう。

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