データセンターの費用は?利用するメリット、選ぶ際のポイントも詳しく解説 第03回 24年07月 / 最終更新:2024.07.18

データセンターとは、企業のサーバやネットワーク機器などのIT機器を管理・運用する施設のことです。耐災害性に優れた施設でIT機器を安全に管理でき、セキュリティ対策を強化できるメリットがあります。

データセンターの利用を検討する企業の中には、利用する際にどのような費用が掛かるのか気になる方も多いのではないでしょうか?

本コラムでは、データセンターを利用する際に掛かる費用について解説します。また、データセンターを利用するメリットや選ぶ際のポイントも解説しますので、是非ご参考にしてください。

データセンターを利用する際に掛かる費用

データセンターを利用する際に掛かる費用

データセンターの費用は、ラック数や電力、回線、利用するエリア・地域などによって異なります。各データセンターにより費用が異なるため、正確な費用を知りたい場合は見積もり依頼をしましょう。

データセンターを利用する際に掛かる費用は、大きく以下の3つです。

<データセンターを利用する際に掛かる主な費用>

初期費用 データセンターの利用開始時に支払う費用
(数万円~20万円程度に設定されているケースが多い)
月額費用 ラックの使用料や電気代、回線使用料など
(電力容量やラックの大きさによって費用が異なる)
オプション費用 機器の監視運用、機器故障時の対応、機器のレンタルなど

データセンターのサービスは大きく2種類

データセンターのサービスは、「ハウジング」と「ホスティング」の2種類に分けられます。ここでは、それぞれの特徴やメリット・デメリットについて解説します。

ハウジング

ハウジングとは、サーバを設置するためのラックや電源設備、インターネット回線などをレンタルするサービスのことです。コロケーションと呼ばれることもあります。自社所有のサーバなどの機器をデータセンター内に持ち込み、レンタルしたラックに設置し、運用・保守をします。

ハウジングサービスのメリットは、サーバなどの機器を新たに導入する必要がないため、初期費用を抑えられる点です。ただし、持ち込んだサーバなどの機器を自社で運用・保守をするため、担当者の作業負担が大きくなるのがデメリットです。サーバの運用・保守をデータセンター事業者に委託することもできますが、ホスティングサービスと比べると、運用・保守費用が高額になることがあります。

ホスティング

ホスティングとは、データセンター事業者が所有しているサーバやネットワーク機器をレンタルするサービスのことです。ホスティングサービスは、サーバそのものをレンタルしたり、必要なネットワーク機器だけをレンタルしたりなど、必要な機器だけを利用することができます。

ホスティングサービスのメリットは、自社の作業負担を抑えられる点です。データセンター事業者にサーバの設計から構築、運用を委託するため、自社の作業は少なくなります。ただし、ハウジングサービスよりもサーバの設定やカスタマイズなどの自由度は低くります。

データセンターを利用するメリット

データセンターを利用することで、企業はどのようなメリットを得られるのでしょうか。代表的なメリットは以下の3つです。

データセンターを利用するメリット

セキュリティ対策を強化できる

一つ目はセキュリティ対策を強化できる点です。

データセンターでは、ICカードや生体認証を用いて建物への出入りを厳重に管理し、24時間365日体制で監視しています。強固なセキュリティ対策が講じられているため、サーバやネットワーク機器のセキュリティレベルを維持できます。

また、設置している機器が故障した際に迅速な対応ができる点もメリットです。サーバの復旧対応で時間が掛かると、自社サービスを一時的に停止せざるを得なくなり、顧客に影響を及ぼす可能性があります。データセンターを利用すれば、サーバのトラブルがあった際に迅速な対応ができ、自社サービスへの影響を最小限に抑えることができます。

BCP対策につながる

二つ目はBCP対策につながる点です。

BCP(Business Continuity Plan)対策とは、大規模な自然災害などが発生した際に、速やかに復旧することを目的とした対策のことです。多くのデータセンターは被災リスクが少ないエリアに建てられており、万一大規模な地震が発生した際もサーバなどの機器を守るために耐震構造や免震構造を採用しています。さらに、火災を予兆・探知するシステムなどによって万全な災害対策が講じられています。

データセンターを利用していれば、万が一、自社の建物が災害トラブルに巻き込まれたとしても、データは守られるため、事業を継続することが可能です。

コストを削減できる

三つ目はコスト削減ができる点です。

データセンターを利用すれば、サーバやネットワーク機器の運用・保守をデータセンター事業者へ委託することができるため、人件費の削減につながります。さらに、IT人材を確保する手間や採用コストの削減にもつながります。

自社でサーバやネットワーク機器を管理・運用する場合は、専門的な知識・技術を持った人材を確保し、トラブルが起きた際に迅速に対応できる体制を整えなければなりません。データセンター事業者に運用・保守を委託した場合、サーバやネットワーク機器に詳しい専門のエンジニアが対応するため、自社でIT人材を確保しなくても運用・保守対応が可能になります。

データセンターを選ぶ際のポイント

日本国内には多くのデータセンターがあるため、どのデータセンターを選定すれば良いか悩まれる方も多いのではないでしょうか。

データセンターを選ぶ際には、以下のポイントを必ず確認しましょう。

  • 自社から駆けつけやすい場所にあるか
  • 建物のセキュリティ対策が万全か
  • ラックに余裕があるか

それぞれのポイントを詳しく解説します。

自社から駆けつけやすい場所にあるか

ハウジングサービスでは自社の機器をデータセンターに預ける形になるため、機器の更新・保守などでデータセンターに足を運ぶ機会が多くなります。トラブルが起きた際には、急行し対応しなければならないケースもあるかと思います。

データセンターを選ぶ際には、自社からの交通の便、駅からの距離、駐車場の有無などを確認しておきましょう。

建物のセキュリティ対策は万全か

サーバには企業の機密情報や顧客の個人情報を保存しているケースが多いため、厳重なセキュリティ対策が求められます。

たとえば、警備員による入館チェックが徹底されているか、監視カメラがどこに設置されているのかなど、実際にデータセンターまで足を運び、直接、セキュリティ対策の確認をすることをおすすめします。

ラックに余裕があるか

サーバは、事業の拡大・縮小に応じて増設したり、一時的に停止したりする必要があります。データセンターのラックやスペースに余裕がないと、サーバの運用・管理を柔軟に行えません。ラックに空きや余裕があるかどうかも事前に確認しておきましょう。

データセンターの費用についてのまとめ

この記事では、データセンターを利用する際に掛かる費用や利用するメリット、選ぶ際のポイントについて解説しました。データセンターを利用する際に掛かる主な費用は、以下の通りです。

  • 初期費用
  • 月額費用(ラックの使用料や電気代、回線使用料など)
  • オプション費用(機器の監視運用、機器故障時の対応、機器のレンタルなど)

費用はデータセンターにより異なるため、正確な費用を把握したい場合は見積もりを依頼しましょう。

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