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OpenStack海外動向コラム

著:野田貴子氏

第11回 17年11月更新

自分の会社にオープンソースコミュニティを構築する4つの方法

こんにちはー。野田貴子です。今回はOpenStack関連のコラムで面白いものがあったので意訳版をお届けします。
昨今、OpenStackの注目度が高まっており、OpenStack開発者メーリングリストやコラムをチェックしている人も多いと思います。
英語が苦手な方にとっては、日本語で要約版があると助かるのではないかと考え、日本語意訳したものをお伝えすることにしました。
興味がある方はご覧ください。海外動向を理解する上での参考になれば幸いです。

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Linux FoundationによるOpen Source Summit North Americaには5つのトラックがあり、そのうちの1つ、Open Community ConferenceがLAで開かれました。
これらのトラックはJono Baconが議長を務め、コミュニティ管理、オープンソースのオフィス設立、組織のオープンソース文化について取り上げられます。

このイベントに参加できなかった方のために、仕事で使えるポイントを4つお伝えします。

適切なコミュニティマネージャーを見つける

コミュニティマネージャーは、エンジニア、マーケティング担当者、チームリーダーなど、あらゆる職業や地位の方が担っているようです。
しかし、最高のコミュニティマネージャーにはどうしたらなれるのでしょうか。
SUSEに勤め、業界の取り組みやオープンソースを導いているAlan Clarkは、15年以上にわたってオープンソースコミュニティに携わってきました。
彼は長い間コミュニティ管理の動向を見てきましたが、コミュニティが成功するのは、コミュニティマネージャーがコミュニティの価値を反映しているときでした。

「コミュニティ管理はどのコミュニティでも少しずつ異なっています。マネージャーの人格やコミュニティの特徴に依存するからです。」
Clarkは自身が関わっているopenSUSEとOpenStackを例として挙げています。
「openSUSEコミュニティにはマーケティングはほとんどありません。このコミュニティでは開発者に重点が置かれており、宣伝や社会福祉、マーケティングなどはそれほど重要ではないからです。ほとんどの《openSUSEのコミュニティマネージャー》はエンジニアリングの経験があり、それはとても適切なのですが、OpenStackの方ではコミュニティ全体のニーズを反映することにはならないでしょう。」

「OpenStackは、特に透明性をコミュニティの価値として受け入れてきました。コミュニティマネージャーが成功するためには、コミュニティの価値を具現化し、執行しなければなりません。コミュニティマネージャーは最前線に立ってコミュニティの調子や姿勢を決めているのです。」

マーケティングに対する偏見をなくす

Deirdré Straughanがプレゼンテーションで発表したように、技術業界ではマーケティングの立場が低めに認識されることがあります。
新しいオープンソースのプロジェクトや組織では、「マーケティングをしたい」とも「する必要がある」とも思われないことがよくあるのです。
これは率直に間違っています。優れたマーケティングとは、人をばかにしたり情報を悪用したりするようなものではなく、みなさんのオープンソースプロジェクトを世界に伝えるためのものなのです。
ツールキットによって世界の開発者がみなさんのプロジェクトにアクセスし、設計図やロードマップによって彼らに評価され、トレーニングによって彼らがプロジェクトを利用したり、貢献したりできるようになります。
そうです、これはすべて「マーケティング」なのです。
Straughanは参加者に対して、自身のマーケティングに対する偏見を見直し、素晴らしいマーケティングはオープンソース戦略を成功に導くことを認識してもらおうとしました。

組織の中で任命する人を見極める

Comcastに務めるオープンソースプラクティスのシニアディレクターであるNithya Ruffと、PayPalに務めるオープンソースプログラムのエバンジェリストであるDuane O’Brienは、オープンソースプログラムのオフィスを組織内に立ち上げようとしている人々に対して、組織の中で誰がオープンソースコミュニティと正式に関わり、特権を持っているかを見極めるための時間を取ることを勧めました。

みなさんの法務部は寄付情報のリクエストに閉口していますか?
技術部はオープンソースを熱心に使っていますか?自社製品のオープンソースの根拠を明確に宣伝するために、マーケティング部への手助けが必要ですか?協力してくれる人を見つけることが、オープンソースコミュニティとより正式に交流し始める原動力となり得るのです。

「社内ソース」から始める

ComcastのオープンソースコミュニティリーダーであるShilla Saebiは、オープンソース業務を社内で確立することに成功しました。
彼女はこれを「社内ソース(Inner Source)」と名付け、会社や社員がオープンソースに関するポリシーを策定し、快適に貢献できるように支援しました。
その結果、オープンソースコミュニティとの交流に成功しました。

社内ソースは巷のオープンソースに似ており、法務部とのライセンス交渉や会合があります。Comcastにはオープンソースプロジェクト専用の社内slackチャンネルがあり、OpenStackチャンネルには1,200人、Cloud Foundryには900人のメンバーがいます。
社内ソースのおかげで社員の経験や自信が高まり、ひいてはオープンソースコミュニティとの連携や、社外との交流につながっていきました。

※本コラムは以下の文章を意訳したものです。

引用元
http://superuser.openstack.org/articles/four-ways-build-open-source-community-company

※本コラムは原文執筆者が公式に発表しているものでなく、翻訳者が独自に意訳しているものです。

著者プロフィール(野田貴子氏)

1983年生まれ。大学卒業後、ソフトウェア開発の営業を経て、ソフトウェア開発業務に転向。現在は自社パッケージのフロントエンド開発のほか、PHPでの受託開発案件、日→英のローカライズ案件などを担当。