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OpenStack海外動向コラム

著:野田貴子氏

第14回 18年01月更新

フランス政府のOpenStack利用法

こんにちはー。野田貴子です。今回はOpenStack関連のコラムで面白いものがあったので意訳版をお届けします。昨今、OpenStackの注目度が高まっており、OpenStack開発者メーリングリストやコラムをチェックしている人も多いと思います。英語が苦手な方にとっては、日本語で要約版があると助かるのではないかと考え、日本語意訳したものをお伝えすることにしました。
興味がある方はご覧ください。海外動向を理解する上での参考になれば幸いです。 

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予期せぬ召集を受け、パリに拠点を置くOsonesチームは2014年のOpenStack Atlanta Summitに参加するために海を渡りました。フランス政府がOpenStackの使用を検討し経験豊富なチームを探していたため、内務省がパートナーを求めていたからです。Osonesに白羽の矢が当たったのは幸運でした。
Osonesのクラウ​​ド専門家たちはOpenStackのエバンジェリスト、コントリビュータ、サミット参加者であり、2013年以降はOpenStack French-speaking User Groupのアクティブメンバーでもありました。

Osonesの主な任務は、省庁のITエンジニアに知識を伝え、OpenStackのベストプラクティスを推奨し、ツールや導入戦略の選出を手助けすることでした。OsonesチームのエンジニアがSuperuserに語ったことによると、最初のアプリケーションであるJean Francois TaltavullとAdrien Cuninを立ち上げる準備が整うまで、OsonesチームはOpenStackプラットフォーム自体の構築にも参加したということです。

OpenStackを使用している現在のアプリケーションの中には、エマニュアル・マクロン大統領が財務大臣の時代に始めた官僚改革を大きく推進させたものがあります。たとえば、亡命希望者からの申請書(規模感を伝えると、フランスでは2016年に最初の亡命申請者が75,000人に上り、EU全体の6%超を占めました)を処理するものや、非常に遅いと悪名高い運転免許証発行プロセスを改善するものです。

Superuserは内務省のNicolas Duffour氏に、現在やっていることや将来の計画について尋ねました。

――OpenStackをどのように使用していますか?現在どのような種類のアプリケーションやワークロードをOpenStackで実行していますか?

OpenStackはオープンソースであり、クラウドスタックとして効率的であるためにフランス政府から選ばれ、DINSIC(2015年設立の国立IT事業所)によって推進されました。

現時点では、2つのアプリを実運用しています。ひとつはASILEという亡命申請を処理するもので、もうひとつはET GOAというマクロン法の構想を実現するもので、これまで手書きだった運転免許試験を民営化し、郵便局などの公共の場所でWebサーバーを使って受けられるようにするものです。

当社のクラウドPI(Produits de l’Interieur)では約20のプロジェクトが検討されており、今後3~5年のうちに150のアプリケーションを移行する予定です。


――OpenStack
を使用した結果、組織にとって最大のメリットは何でしたか?どのように影響を数値化していますか?

私たちの組織にとっての主なメリットは、政府のデジタル化と近代化に伴う真のデジタルプラットフォームを提供できたことです。内務省や他の政権のクライアントにとって安全(プロバイダの国家規格であるSecNumクラウドANSSIを満たす)で、堅牢で、効率的なプラットフォームです。アジャイルや開発モードで開発でき、継続的な配信と統合が可能です。アプリケーションで使用できるインフラストラクチャリソースを集中し、リソースを対話形式で利用できるようにしています。

私たちはクライアントのダッシュボードをより正確に効果を測定できるように定義しています。30人の変革チームを作り、クライアントがクラウドを管理したり使用したりする手助けをするようにしました。

――将来の計画でなにか教えてもらえることはありますか?

私たちの短期計画では、2018年の初めに残りの政府機関にプラットフォームを公開し、2つのサイトにクラウドを展開して完全な回復機能を持たせ、クライアントのサービスカタログを進化させる手順を踏むことを考えています。

※本コラムは以下の文章を意訳したものです。
引用元
How the French government uses OpenStack

※本コラムは原文執筆者が公式に発表しているものでなく、翻訳者が独自に意訳しているものです。

著者プロフィール(野田貴子氏)

1983年生まれ。大学卒業後、ソフトウェア開発の営業を経て、ソフトウェア開発業務に転向。現在は自社パッケージのフロントエンド開発のほか、PHPでの受託開発案件、日→英のローカライズ案件などを担当。