ベアメタルエッジへのオープンソースの適用 第29回 19年05月 / 最終更新:2019.05.17
目次
こんにちはー。野田貴子です。今月も海外のOpenStackコラムを意訳してご紹介します。ご参考いただければ幸いです。
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Kubesprayは、Kubernetesクラスタの展開と管理を行うAnsibleプレイブックを提供するコミュニティプロジェクトで、最近、ベアメタルクラウドのPacketのサポートのために統合されました。この新しいサポートにより、Kubernetesクラスタをセルタワーベースのマイクロデータセンターなどの次世代エッジロケーションに展開することができるようになります。
ベアメタルに特化したPacketは、従来のAWS、GCE、Azure、OpenStack、vSphere、Oracle Cloudといったインフラ以上に、既存のKubesprayのサポートを拡張します。KubesprayはTerraformとAnsibleを介した自動化によって、Kubernetesクラスタリングの立ち上げの複雑さを取り除きます。Terraformはインフラをプロビジョニングし、Ansibleインストールに必要なものをインストールします。Terraformプロバイダープラグインを使用すると、さまざまなクラウドプロバイダーをサポートできます。AnsibleプレイブックはそれからKubernetesをデプロイして設定します。
Kubespray on Packetを使ったデプロイに関するオンライン上の詳細な説明がすでにあるので、私はこの記事ではなぜベアメタルサポートがKubernetesにとって重要であるかと、これを実現するために何が必要であるかに焦点を当てます。
ベアメタルを使う理由
歴史的に、Kubernetesの展開はパブリッククラウド、あるいは完全に管理されたプライベートクラウドの「創造的な快適さ」に依存して、Kubernetesを実行するための仮想マシンとネットワークインフラを提供してきました。これにより、Kubernetes自体が必ずしも必要としていない抽象化層(仮想マシンを含むハイパーバイザーなど)が追加されました。実際、KubernetesはGoogleのBorg として最初にベアメタルに置かれました。
ワークロードを(エッジコンピューティングの形で)エンドユーザーの近くに移動し、これまで以上に多様な環境(さまざまなアーキテクチャやサイズのハイブリッドインフラやオンプレミスのインフラ)に展開するとき、同種のパブリッククラウド基盤に頼ることはいつも可能でも理想的でもありません。たとえば、リソースが制約されたエッジロケーションの場合は、Kubernetesをベアメタルの上に直接実行するほうが効率的かつ実用的です。
ギャップにご注意ください
ベアメタルクラスターの下にフル機能のパブリッククラウドがなければ、ロードバランシングやストレージオーケストレーションなどの従来の機能をKubernetesクラスター自体で管理する必要があります。幸いKubernetesのために、まさにそのようなサポートを提供するMetalLBやRookといったプロジェクトがあります。
レイヤ2およびレイヤ3のロードバランサであるMetalLBは、すでにKubesprayに統合されています。CephがKubernetesクラスタに分散ストレージと複製ストレージを提供するように調整するRookに対するサポートは、ベアメタルクラスタに簡単にインストールすることができます。完全な機能を有効にすることに加えて、ストレージとロードバランシングへの「独自の」アプローチは特定のクラウドサービスへの依存を取り除き、ユーザーがロックインを避けてどこにでもインストールできるようになります。
克服しなくても良いギャップは、Arm64プロセッサのサポートです。それはすでにKubesprayに採用されているからです。Armアーキテクチャ(データセンターグレードのハードウェア、SmartNIC、その他のカスタムアクセラレータで定期的に登場し始めています)は、モバイルデバイスや組み込みデバイスで長い歴史があり、Edgeのデプロイに適しています。
今後はMetalLBやRook、さらにさまざまなハードウェア構成に基づいた日々のビルドのベアメタルCIとのより緊密な統合を望んでいます。Packetの自動ベアメタルにアクセスすることで、さまざまな種類のプロセッサ、ストレージオプション、ネットワーク設定をテストし、サポートを維持することができるようになります。これにより、Kubesprayを搭載したKubernetesをパブリッククラウド、ベアメタル、エッジ環境全体に確実に展開して管理することができます。
さらに詳しく知りたい方へ
来るOpen Infrastructure Summitでは、「Open Micro Edgeデータセンター など20以上のエッジコンピューティングセッション が開催され、ベアメタルエッジロケーションでのオープンソースの使用について議論される予定です。
※本コラムは以下の文章を意訳したものです。
引用元
https://superuser.openstack.org/articles/bringing-open-source-to-the-bare-metal-edge/
※本コラムは原文執筆者が公式に発表しているものでなく、翻訳者が独自に意訳しているものです。
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