Virtual Volumes:仮想マシン中心の重要性 第02回 15年06月 / 最終更新:2015.06.08

Virtual Volumesの主な利点は、プロビジョニングやデータサービスのコントロールが仮想マシンレベルで可能になるところにあります。なぜ仮想マシンを中心に考えることが重要なのでしょうか。また、Virtual Volumesはどのようにリソースを効率的に消費しているのでしょうか。
仮想マシン中心であるVirtual Volumesは、従来のストレージを使用してきた人々が何年も抱えているトレードオフの問題を解消します。新しいアプリケーションをデプロイする際、多くの人は過少にプロビジョニング(容量を用意すること)することでSLA(サービス品質保証規程)が守れなくなることよりも、余裕を持ってプロビジョニングすることでコンピューターやストレージ、ネットワークなどの貴重なリソースを無駄にしてしまうことの方を選びます。つまり、リソースを効率的に使用できていないのです。

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例として、ゴールド、シルバー、ブロンズそれぞれのSLA(サービス品質保証規程)が設定された仮想マシンで構成される、三階層のアプリケーションを考えてみましょう。ただし、みなさまの環境がほとんどそうであるように、ストレージの可能なリソースは一対一で仮想マシンの要件にマッチします。ゴールドとブロンズの2つのLUNが使用可能な場合、普通はゴールドの仮想マシンをゴールドのLUNでプロビジョニングし、ブロンズの仮想マシンをブロンズのLUNでプロビジョニングします。ここで問題になるのは、シルバーの仮想マシンをプロビジョニングする場合です。このときコスト面でのトレードオフの問題に直面します。SLA(サービス品質保証規程)を犠牲にしてブロンズのLUNでプロビジョニングするか、リソースを犠牲にしてゴールドのLUNでプロビジョンするか、という選択になります。当然、シルバーの仮想マシンをゴールドのLUNでプロビジョニングする方が割高です。したがって、もしゴールドのLUNのレプリケーション(複製)の設定がオンになっていると、シルバーの仮想マシンが複製される必要がない場合でも、従来のストレージではLUN、またはVolumeレベルでオペレーションが行われるため、複製されることになってしまいます。
しかしVirtual Volumesを使用すれば、プロビジョニングとデータオペレーションは仮想マシンレベルで実行されるため、上記のトレードオフの問題は解消されます。Storage Policy-Based Management (SPBM)を使用しているvSphereの管理者は、仮想マシンにポリシー(仮想マシンの動作を制御するもの)を指定さえすれば、あとはその仮想マシンが要求を満たすストレージに適切にプロビジョニングされます。さらに、レプリケーション、スナップショットなどのデータサービスのオペレーションも仮想マシンレベルで実行されるため、vSphereの管理者はこの三階層のアプリケーションに対しても、各層の仮想マシンに要求されたポリシーを割り当てることができます。
Virtual Volumesによってどのようにストレージ消費モデルが改善されるのかをみなさんに分かりやすく解説するために、私は定食メニューとアラカルトメニューの例をよく挙げています。従来のストレージは、すべてを買うか何も買わないかの二択しかない、いわば定食メニューです。一方Virtual Volumesでは、アラカルトで消費モデルを構成することができます。ストレージ管理者はレプリケーション、バックアップ、暗号化などのメニューを決定するので、vSphere管理者はそれらのメニューを使ってポリシーを作成し、仮想マシンに適用します。
Virtual Volumesのおかげで、各仮想マシンは多すぎず、少なすぎず、ちょうど必要な分だけのリソースを効率的に消費できるようになります。

※本コラムは以下のブログを意訳したものです。
引用元 http://blogs.vmware.com/storage/2015/05/15/virtual-volumes-vm-centricity-important/
※本コラムはVMware社が公式に発表しているものでなく、翻訳者が独自に意訳しているものです。

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