ベアメタルサーバ 第03回 24年05月 / 最終更新:2024.08.21

ベアメタルサーバというサービスをご存知でしょうか。

鈴与シンワートが提供するベアメタルサーバ

クラウドサービスの普及に伴い、システムを構築する際に優先的にクラウドサービス利用を検討する”クラウドファースト”という考え方が浸透してきています。
クラウドサービス上での開発や運用を前提とした”クラウドネイティブ”といった考え方も広まってきています。
クラウドサービスが主流になった要因として、柔軟性の高さや初期コストの低さ、運用の負荷軽減など、さまざまなメリットが挙げられます。

そんな中、ベアメタルサーバはその特有のメリットから再び注目されています。
今回は、ベアメタルサーバを用いることで解決できる課題や活用例について解説していきます。

ベアメタルサーバとは

ベアメタルサーバとは、OSやソフトウェアが全くインストールされていないサーバを月額などで利用するサービスのことを指します。
クラウドサービス事業者が提供するベアメタルサーバは、事業者によって定義は異なりますが、一般的にOSの入っていない物理サーバをユーザが自由に利用することができるサービスです。
ベアメタルサーバの特長は、ユーザが物理サーバのハードウェアリソースを占有するため、通常のクラウドサービス(IaaS)より高いパフォーマンスを得られるところです。

ベアメタルサーバで解決できる課題

パブリッククラウドなどのクラウドサービスはさまざまなメリットがある反面、他のユーザと物理サーバを共同利用するがゆえに発生する課題もあります。
そういった課題を解決するために、ベアメタルサーバが注目されています。
具体的な課題を例に、ベアメタルサーバの有効性を解説します。

パフォーマンス向上

パブリッククラウドでは、他のユーザとサーバを共同利用している関係上、パフォーマンスが不安定になる場合があります。
また、共同利用している他ユーザの状況は把握できないため、ユーザ側でパフォーマンスを予測することは困難です。

ベアメタルサーバの場合は、単一ユーザで物理サーバを占有できるため、他ユーザの影響によるパフォーマンスの低下を回避することができます。
更に、単一ユーザでの利用はオーバーヘッドが少なく、ハードウェア性能を最大限に活かした高いパフォーマンスを発揮することができます。

利用料金の適正化

パブリッククラウドは、使用するリソースに応じて利用料金が加算されるため、余裕をもたせたリソース量では、利用料金が高額になってしまうケースがあります。
高い処理性能や、安定したパフォーマンスが求められるシステムでは、ベアメタルサーバを利用する方が結果的に費用を抑えられることがあります。

カスタマイズ

クラウドサービスはサーバの機能が制限されているケースがあるため、自社既存のシステムや独自のシステムとの連携ができない場合があります。
また、基本的には提供されているサービスをそのまま利用するため、利用者がカスタマイズできる範囲は限られます。

ベアメタルサーバは、OSやソフトウェアがインストールされていないまっさらなサーバを利用者がカスタマイズできるため、自社システムに合わせた最適な環境を構築することができます。

ソフトウェアライセンスの適正化

ソフトウェアによっては、導入するサーバのCPU数に比例したライセンスが必要になるものがあります。
パブリッククラウドのように他ユーザとサーバを共同利用している場合、必要以上にライセンスを購入しなければならないケースもあります。
また、意図せずライセンス違反になってしまうこともあります。

ベアメタルサーバは、単一ユーザで物理サーバを占有するため、適切なライセンスでソフトウェアを利用することができます。

ベアメタルサーバの活用例

ベアメタルサーバは、高いパフォーマンスとカスタマイズにより、さまざまな用途で活用されています。
ベアメタルサーバの活用例を紹介します。

データベースサーバとして利用

データベースサーバは、高いパフォーマンスと安定性が求められます。
ベアメタルサーバは、高いI/O性能と低レイテンシにより、大規模なデータベースの運用に活用することができます。
また、データベースソフトウェアはライセンス体系が複雑なケースがあり、パブリッククラウドの利用が難しい場合にも有効です。

仮想化基盤として利用

ベアメタルサーバを仮想化基盤として活用することで、オンプレミスで運用しているサーバの仮想化や、複数運用しているサーバの集約に活用することができます。
ベアメタルサーバを利用する場合、運用するサーバの用途に合わせて、ユーザが自由にリソースを分配することができるという利点があります。

オンプレミスのシステムとして利用

特定のシステムでは、パフォーマンスだけではなく、セキュリティやコンプライアンスといった理由から、パブリッククラウドの利用ができない場合があります。
その場合、ベアメタルサーバと閉域網を利用することでオンプレミスの環境を構築することができます。
なお、自社宅内などに設置するオンプレミス環境と比べて、機器の調達やハードウェア、ネットワーク機器の運用が不要になるといった利点もあります。

ベアメタルサーバを利用する際の注意点

ベアメタルサーバは利用者の自由度が高い分、注意しなければならない点がいくつかあります。サービスを利用する際に確認すべきポイントも含めて、紹介します。

管理と運用

ベアメタルサーバは、OSやソフトウェアの運用を利用者が実施する必要があるため、OSアップデートやパッチの適用、バックアップの設定などは利用者側の責任となります。
また、ソフトウェアに起因する障害の対応や、セキュリティ対策も利用者が行う必要があります。

オンプレやクラウドサービスとの接続可否

ベアメタルサーバを利用する際は、自社のオンプレミスのシステムや、パブリッククラウドなど他社のクラウドサービスとの相互接続が可能かどうかも重要なポイントになります。
近年では、クラウドサービス、ベアメタルサーバ、オンプレミスのシステムを組み合わせて最適な環境を構築する、ハイブリット構成も増えています。

ベアメタルサーバのまとめ

ご紹介のとおり、ベアメタルサーバは物理的なハードウェアリソースを占有することで物理サーバと同等のメリットを受けることができ、クラウドサービスが抱える課題を解決することができます。

ベアメタルサーバは自由度が高い分、パブリッククラウドと比較すると、利用者側で実施しなければならないことが多くなります。
サービス事業者で提供しているオプションサービスで、利用者の負担を軽減できる部分もあるため、利用できるオプションサービスの内容も確認しておきましょう。
また、パブリッククラウドよりもサービス提供に時間を要する場合がありますので注意しましょう。

これからITインフラを選定する際には、クラウドサービスとベアメタルサーバの利点を把握し、自社に最適な環境を構築できるように検討してみてください。

鈴与シンワートの「S-Portベアメタルサーバ」について

鈴与シンワートでは、ユーザーの要望に合わせ、自由自在な使い方ができる「S-Portベアメタルサーバ」を提供しています。サーバ環境の構築も含めた支援も可能です。

「S-Portベアメタルサーバ」の5つの特長

特長1:10GbE×2のネットワークインターフェース
特長2:ハードウェアの監視・運用
特長3:ITインフラ構築からパッケージまでワンストップ導入が可能
特長4:マルチリージョン対応
特長5:ハイブリッド構成も可能

「S-Portベアメタルサーバ」のサービス詳細はこちらからご覧ください。
https://s-port.shinwart.com/service/cloud/baremetal/

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