ハイブリッド環境を支えるデータセンターの役割とは 第17回 26年01月 / 最終更新:2026.01.08

近年、クラウドファーストの考え方が浸透し、オンプレミス環境からクラウド環境への移行が加速しました。しかし、最近ではオンプレミス環境の安定性やセキュリティの高さが再評価されています。

その結果、クラウド環境の利便性と、オンプレミス環境が持つ安定性やセキュリティの高さを兼ね備えた「ハイブリッド環境」が、標準的な運用モデルとして注目されています。
そして、このハイブリッド環境の要となるのが、さまざまなシステムやクラウドサービスをつなぐ「データセンター」です。

本コラムでは、ハイブリッド環境が注目される理由や、ハイブリッド環境を支えるデータセンターの役割などを詳しく解説します。

ハイブリッド環境が注目される理由

オンプレミス環境からクラウド環境への移行が進んだ現在、クラウド環境とオンプレミス環境を組み合わせた「ハイブリッド環境」が注目されるようになりました。
ここでは、ハイブリッド環境が注目されるようになった理由について解説します。

クラウド化に伴う課題

クラウドサービスは、スケーラビリティの高さやサーバ運用の負荷を軽減できるといった利点があるため、多くの企業が積極的にオンプレミス環境からクラウド環境へ移行しました。
しかし、レイテンシ問題やランニングコストの増加など、クラウド環境ならではの課題が浮き彫りになりました。そのため、最近では「脱クラウド」といった言葉が話題に上がっています。

クラウド化に伴う課題については、前回のコラムでも詳しく解説していますのでご参照ください。

オンプレミスからのクラウド移行に失敗しないためのデータセンター活用術
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オンプレミス単独運用の限界

クラウド環境に移行したシステムを再びオンプレミス環境に戻すことを「オンプレミス回帰」といいます。最近では、クラウド化に伴う課題を解決するためにオンプレミス回帰の動きも見られるようになりました、
しかし、オンプレミス環境単独でシステムを運用するには、もともとの課題であった、高額な初期費用や導入にかかる期間、サーバの運用負荷などが問題になります。

したがって、すべてのシステムをオンプレミス環境に戻すというのは、現実的ではありません。

利点を「いいとこ取り」できるハイブリッド環境

オンプレミス環境とクラウド環境、双方の利点を組み合わせられるのが「ハイブリッド環境」です。
ハイブリット環境では、高いパフォーマンスやセキュリティを求められるシステムをオンプレミス環境に残し、柔軟な対応が求められるシステムはクラウド環境で運用する、といった適材適所の配置が可能になります。

現在は、クラウド環境へ移行したシステムの一部をオンプレミス環境に戻し、結果的にハイブリッド環境とするケースが多く見られます。

ハイブリッド環境も実現可能
「鈴与シンワートが提供するS-Portデータセンターサービス」
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ハイブリッド環境を支えるデータセンターの役割

ハイブリッド環境の要となるのが、多様なサービスをつなぐデータセンターの存在です。
ここでは、ハイブリッド環境を支えるデータセンターの役割を解説します。

サービス間の接続

ハイブリッド環境を実現するためには、各サービス間を適切に「接続」することが重要です。この、各サービス間を接続する役割を担うのがデータセンターです。
データセンターのサービスには各社クラウドサービスとの閉域網接続や、複数の物理・仮想環境との連携を容易にするためのネットワーク基盤を提供するものなどがあります。

本コラムを掲載している鈴与シンワートの「S-Port X(クロス) コネクト」は、同社が提供する各種クラウドサービスやベアメタルサーバ、他社のメガクラウド、自社のオンプレミス環境などを、データセンターを中心として接続することができます。

図1 クラウドサービスとハウジングサービスの接続例
図1 クラウドサービスとハウジングサービスの接続例(S-Port Xコネクト
図2 オンプレミス環境とデータセンターの接続例
図2 オンプレミス環境とデータセンターの接続例(S-Port Xコネクト

出典:鈴与シンワート,S-Port X(クロス)コネクト

サービスとコストの最適化

データセンターは、サービスの品質とコストを最適化する役割も担っています。
クラウド環境は柔軟性に優れますが、使用するリソースやデータ量が大きくなるとランニングコストが大きくなってしまいます。逆に、オンプレミスは固定費中心でコストを予測しやすい反面、運用負荷に合わせたリソースの再配置が困難になります。

データセンターを接続ハブとして、各システムをクラウド環境とオンプレミス環境に適切に配置することで、安定したサービス提供を実現し、コストも最適化できます。

セキュリティの確保

クラウド環境はさまざまなセキュリティ対策が施されており、決してセキュリティレベルが低いわけではありません。しかし、どこからでもアクセスできる利便性がある反面、不正アクセスのリスクが高くなります。また、設定ミスやユーザー管理の不備によって情報漏洩が発生するといったケースも少なくありません。

データセンターを経由することで、物理セキュリティ、ネットワークセキュリティ、アクセス制御など多層的な防御が可能です。クラウド環境単体よりも強力なセキュリィの確保ができます。

クラウド環境とオンプレミス環境の使い分け

ハイブリッド環境は目的によって、クラウド環境とオンプレミス環境を適切に使い分けることが重要です。
ここでは、クラウド環境とオンプレミス環境それぞれに適したシステムについて紹介します。

クラウド環境に適したシステム

クラウド環境は、リソースの増減が多いシステムや、短期間での構築・更新が求められるシステムに適しています。
たとえば、季節やキャンペーンによってアクセス数が大きく変動するECサイトやコーポレートサイトを、オートスケール機能で柔軟なリソース調整することで、サービス品質やコストを適正に保つことができます。
また、AIの学習環境やデータ分析基盤のように、一時的に大きなパフォーマンスを要するようなケースでも、必要なときだけリソースを割り当てることができるため、設備投資を抑えられます。
さらに、スピーディーな構築が可能であるため、テスト環境や開発環境としての利用にも適しています。

オンプレミス環境に適したシステム

オンプレミス環境は、安定稼働や高いセキュリティが求められるシステムに適しています。たとえば、会計・人事・ERP などの基幹系システムは、安定稼働を必要とし、利用者数や処理量が大きく変動しないため、オンプレミス環境での運用に向いています。
また、顧客データや人事情報などの機密性の高いデータを扱うシステムの場合、物理的なアクセス管理まで含めて統制できるオンプレミス環境の方がより安全に運用できます。

データセンターとクラウドサービスのどちらを選べばよいか?実際の事例で解説
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まとめ

クラウド環境の柔軟性とオンプレミス環境の安定性を両立できるハイブリッド環境は、多くの企業にとって有効な選択肢になります。

ハイブリッド環境の中心となるのが、各種クラウドサービスやオンプレミス環境を安全かつ効率的につなぐデータセンターの存在です。高品質なハイブリッド環境を構築するために、それぞれの環境や各種サービス間の接続性もデータセンター選定のポイントとなります。

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鈴与シンワートが提供している「S-Port データセンターサービス」では、専門チームによるサーバやネットワーク、ストレージなどの初期設定や構築作業、24時間365日の監視や障害対応など、幅広いサービスを提供しています。

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