シスコ、中小企業向け新ブランド「Cisco Start」を発表 第06回 15年09月 / 最終更新:2015.09.28

こんにちは、デジタルサポート大喜多[http://www.ookita.biz/]です。

先日、シスコが日本の中小企業専用ネットワーク製品ブランド「Cisco Start」を発表しました。

http://www.cisco.com/web/JP/news/pr/2015/025.html

同社はこれまでも日本ローカルモデルは販売していましたが、日本ローカルブランドは史上初で、今回は製品、販売方法、サポート、マーケティングなど、あらゆる面で日本市場だけを考えたプログラムになっているとのことです。

Cisco Startでは従業員数100名以下の企業にターゲットを絞って、価格を抑え、設定を容易にするとともに、ルータ/ファイアウォール・L2スイッチ・無線LANアクセスポイントと、ターゲットとしている企業で求められる製品を一度にフルラインナップでリリースしました。シスコのポリシーでもある「一社の製品で完結した方が有利である」と訴えることを基本メッセージとしているとのことです。

ソリューションの中核となるルータのCisco 841M-Jは、これまでシスコ製品で長い実績のあるIOSを採用しながら、今までにない特徴的な機能をいくつも持っています。

1.完全に日本語化されたWebブラウザベースの運用管理ツールを搭載
2.ルータの稼働状況を上記の運用管理ツールから確認可能
3.ルータからLANスイッチへ設定を送り込むことができる
4.シスコのクラウドセキュリティサービスと連動し、URLフィルタリングやウイルスチェックを提供

ベースは非常に低価格なルータでありながら、オプションでUTMライクなセキュリティ機能を付加できる点が特徴的であると筆者は感じました。またルータ自身の管理性向上やL2スイッチ/無線LANアクセスポイントとの連携に関しても、競合他社を研究した結果でしょう。

シスコ日本法人と日本の総代理店が販売に関して全面的に協力して取り組むとのことですが、今回ターゲットとしている層は情報システム部にネットワーク専任担当がいなかったり、そもそも情報システムの専任担当者がいない場合が多いです。単純に「設定を容易にした」「ドキュメントを整備した」「サポートを強化した」というだけでは入り込めない難しい市場です。

同市場で先行する他のネットワーク機器ベンダや通信キャリアのサービスとの競合は避けられず、シスコが市場を獲っていくためには二次店以降のソリューションベンダがどれだけ導入サポートできるのか、Cisco Startの優位性をどれだけアピールできるのか、という非常に細かい部分が重要なポイントになってくると思います。

シスコは「その市場でナンバーワンになれる見込みがなければ参入しない」というポリシーを持っている企業です。そのためラインナップからなくなった製品群もあり、一方で意外ともいえるIAサーバ市場への参入などの動きも見られます。シスコがCisco StartでSMB市場にどれだけの存在感を示すことができるのか注目していきたいと思います。

鈴与シンワートのS-Port Cloudシリーズはシスコ社ルーター製品との相性も良く実績も豊富です。Cisco Startを活用したS-Port Cloudシリーズとの接続についてもお気軽にお申し付けください。

 

S-Port Cloudシリーズについては以下をご覧ください。

https://s-port.shinwart.com/service/